米商品先物取引委員会(CFTC)元委員長で、仮想通貨(暗号資産)についても取り組むゲイリー・ゲンスラー氏が、次期大統領候補とされるジョー・バイデン氏の金融政策チームを率いることが決まった。FRB(米連邦準備制度理事会)や銀行、証券規制当局の審査チームを率いるために指名された。
ゲンスラー氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院でブロックチェーンや仮想通貨について講義を行なった経歴を持つ。
2008年の金融危機後の2009年にCFTC議長に就任。新たなデリバティブ規制を策定した。2014年にCFTCを離れた後にはMITで仮想通貨の講義をするようになった。
最近では仮想通貨とブロックチェーンに関して議会で何度も証言し、仮想通貨とポンジスキームの関連に反論したり、フェイスブックの独自仮想通貨リブラは米国のセキュリティ要件を満たしているなど擁護する発言をしている。
また2018年に開かれたMITのカンファレンスではXRPが有価証券に該当すると発言。またイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を通じて販売されたトークンも有価証券に該当するとコメントしている。
ゲンスラー氏以外の仮想通貨専門家も
今回バイデン氏が発表した金融規制当局向けの監査チームには、ゲンスラー氏以外にも複数の仮想通貨専門家がいる。
デジタル通貨の研究を主導したことで知られ、ブロックチェーン技術が金融業界に与える論文を執筆した経済学者のサイモン・ジョンソン氏のほか、ジョージタウン大学国際経済法研究所のクリス・ブラマー氏が選出された。ブラマー氏はリブラについて議会で発言した人物だ。
そのほかにも、ブロックチェーンと仮想通貨の規制枠組みに関する上院銀行委員会の公聴会でも専門家として発言したカリフォルニア大学アーバイン校の法学教授であるメーサ・バラダラン氏、デジタルドルという概念の提唱者の一人であるコロンビア大学法学教授のレフ・メナンド氏がいる。