20日に仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)が一晩で大きく調整されたことを受けて、イーサ(ETH)価格も急落した。ビットコインは仮想通貨取引所バイナンスで34000ドルまで下落し、前日から10%下落した。

Bitcoin price chart with key levels. Source: TradingView.com, TraderXO

なぜイーサは大きく下落?

既報のように、1月に入って、イーサはビットコインよりもパフォーマンスが高くなっている。ビットコインが取引量が低い状態で値動きが小さくなると、よりハイリスクの投資に流れるからだ。

実際に、ビットコインの値動きが40000ドル〜36000ドルの間で固まると、アルトコイン市場が大きく上昇した。トレーダーはビットコインに比べて流動性や取引量がはるかに少ないアルトコインへの投資に移ったと考えられる。

しかし、ビットコインがレンジ相場から調整局面に移行すると、アルトコインはビットコインと米ドルの双方に対し、大きく下落した。

特に過去72時間で強い勢いを見せていたイーサの大きな下落は、予想外の出来事だった。ETH/BTCペアで一貫してビットコインを上回るパフォーマンスを見せており、他の仮想通貨に対しても強さを示し、史上最高値を更新していたからだ。

仮想通貨トレーダーのNeko氏は、ETHがビットコインに対して反発し、下落する前に次のようにツイートしていた。

「私は、現在の状況の中でETHがいかに持ちこたえられるか信じている。BTCとのペアでは堅調に推移しており、USDTペアの下げ幅は非常に小さくなっている。ビットコインが3000ポイント以上下落しているにも関わらず、最高値付近の1350ポイントで推移している。全く信じられない」

イーサが大きく下落した理由は2つ考えられる。一つはイーサ先物市場が過熱していたことだ。19日のファンディングレート(資金調達率)は0.3%前後で推移しており、平均が0.01%であることを考慮すると30倍となっていた。

二つ目は仮想通貨オプション取引所デリビットから分かるように、イーサの建玉が過去最高だったことだ。オプション市場と先物市場が過熱すると、大量清算の可能性が高まる。

次の動きは?

トレーダーが大手取引所でより少ないレバレッジを利用していることから、市場は不確実性のピークを示しているようだ。

ETH/BTC 1-day candle chart (Binance). Source: Tradingview

そのため、イーサの短期的な値動きは、次の24時間のビットコインのパフォーマンスに依存することになるだろう。さらにETH/BTCペアは2020年9月に記録した高値である0.038というレジスタンスに向かっている。

しかし、ほとんどのアルトコインが買われ過ぎの状態にあることを考慮すると、ビットコインが34000ドルを下回った場合に、イーサを含めたアルトコイン市場が大きな調整となる可能性が高い。

一方でビットコインが34000ドルから反発して最高値に向けて上昇すれば、アルトコインも連れ高になるだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン