機関投資家におけるイーサリアムの存在感が高まっている。ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズの共同創業者兼リサーチ責任者であるトム・リー氏は、CNBCの番組「パワー・ランチ」で、ウォール街がトークン化と金融活動のオンチェーン移行を加速させる中、イーサリアム(ETH)は2026年初頭までに7000ドルから9000ドルに上昇する可能性があると述べた。
リー氏は、ウォール街がオンチェーン決済やトークン化証券の実験を進めるにつれ、イーサリアムの投資価値は金融インフラとしての利用に強く結び付いてきていると指摘した。
「ウォール街はあらゆるものをトークン化したがっている」とリー氏は述べ、ロビンフッドやブラックロックの取り組みを例に挙げた。この流れは、伝統的金融の効率化をもたらすと同時に、現実世界のユースケースをイーサリアム上に定着させる可能性があるという。
さらに同氏は、採用が進めばイーサリアムは最終的に2万ドルに到達する可能性もあると付け加えた。

また、ビットコイン(BTC)についても強気姿勢を示し、「真の価値保存手段」と位置付けたうえで、来年に20万ドルへ向かう動きは「非常に理にかなっている」と述べた。金に対する最近のパフォーマンス劣後については一時的なものだとの見方を示した。
リー氏は、イーサリアムに特化した最大級のトレジャリー企業であるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズの会長も務めている。同社は、コインゲッコーのデータによると、406万6062ETHを保有している。

イーサリアム、RWAトークン化で主導的地位
現実世界資産(RWA)トークン化の市場は、2025年に入って急速に拡大した。市場規模は年初の約56億ドルから、現在は約189億ドルに達している。
RWA.xyzのデータによると、トークン化資産の中で最大のクラスは米国債で、規模は約85億ドルとなっている。これにコモディティが約34億ドルで続く。
イーサリアムは、パブリックブロックチェーン上のトークン化価値の大半を占めている。2025年12月下旬時点で、同ネットワーク上には120億ドル超のトークン化資産が存在し、BNBチェーン、ソラナ、アービトラムといった他のネットワークを大きく引き離している。

また、ステーブルコインの発行でもイーサリアムが主導的地位を維持しており、イーサリアム・ネットワーク上で発行されたステーブルコイン残高は約1700億ドルに達している。これにより、ドル建てオンチェーン取引における主要な決済レイヤーとしての役割が一段と強化されている。

12月には、機関投資家によるRWAトークン化への関心がさらに高まった。米証券市場の清算・決済インフラを担うDTCCは、傘下のデポジトリー・トラスト・カンパニーが保有する米国債の一部を、カントン・ネットワーク上でトークン化する計画を明らかにした。。
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