今年第3四半期に到来した分散型金融(DeFi)ブームによて、イーサリアム(ETH)ネットワークは1日あたりの取引量でビットコイン(BTC)の2倍以上を処理している。
仮想通貨(暗号資産)データアグリゲーターのメサーリによると、イーサリアムの取引量の30日間平均は70億ドルに上る。一方ビットコインの方は30憶ドル弱だ。
現在の傾向が続く場合、イーサリアムは通年で1兆ドルの送金を決済する最初のパブリックブロックチェーンになるだろうと、メサーリは予測している。
イーサリアムは2018年には約5000億ドルの処理を行っているが、これがこれまで最も高い数値だった。一方でビットコインは18年に8490億ドルの処理を行っていた。
メサーリの予測では、ビットコインは2020年通年で8000億ドルを処理するとみている。

ただ、2つのブロックチェーンを単純に比較することはできない。DeFiバブルは主にイーサリアムを利用したスマートコントラクト上で発生しているため、イーサリアムのネットワークは現在、セウタ―全体の取引を処理している。一方でビットコインは主にBTC建ての価値の移転を処理している。
メサーリのライアン・ワトキンス氏は、イーサリアムの取引額の急騰の要因が、ERC20ベースのステーブルコインの取引額であり、特にテザー(USDT)とメーカーダオのステーブルコインDAIの取引額が急増しているためだと指摘している。
ワトキンス氏はまた、分散型取引所(DEX)からのオンチェーンの流動性の急上昇にも触れている。UniswapとCurveは9月に合計で200億ドル以上の取引額を生み出している。DEXは取引所での取引額の13.6%を占めるにまでなっているという。
しかし、メサーリは、仮想通貨において「次の12ヶ月でプラットフォームを定義するような戦いがある」と予測する。イーサリアムにおける高額な手数料の問題が存在することで、ライバルとなるブロックチェーンがソリューションを提供しようとすることで、「パラレルなDeFiエコシステムの台頭」になるとみる。「2020年末以降、パラレルなDeFiセクターを構築するため、すべてのETHキラーが金庫を空にし続けるだろう」。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン