イーサリアムのネイティブトークンであるイーサ(ETH)は、今週初めにコインベースで2,651ドルまで価格が急落した後、反発している。

記事執筆時点でETH/USDは8%上昇し、日中高値である3,120ドルを推移している。この上昇は、今後の潜在的な逆風にもかかわらず、強気のバイアスを維持しようとしたことを示している。

先週、イーサ価格は、中国で発生した一連の問題により下落した。20日には、中国恒大の多額の負債を抱える不動産市場の混乱により、世界の株式市場が暴落したため、トレーダーは一斉に仮想通貨を売却した。

週の後半には反発の動きが見られたが、中国人民銀行が仮想通貨取引は違法であると繰り返し主張したことで、24日に再び暴落した。それにもかかわらず、イーサリアムの強気派は、価格を心理的な抵抗水準である3,000ドル以上に押し戻した。

ETH/USD daily price chart. Source: TradingView.com

反発はイーサだけでなく、ビットコインも同様で、コインベースで43,767ドルの日中高値を記録した。一方、ユニスワップのネイティブトークンであるUNIも19%以上の上昇を見せ、少なくとも過去24時間で最もパフォーマンスの高い仮想通貨となった。

同時に、イーサリアムのライバルであるカルダノ(ADA)とソラナ(SOL)の成績は悪く、ADA/USDは5%以上、SOL/USDは24時間調整後の時間枠で3%以上下落した。
 

機関投資家の需要

イーサリアムの上昇は、JPモルガンによる強気のレポートにも現れている。JPモルガンは、機関投資家がイーサリアム市場でのエクスポージャーを増やし始めたと指摘している。

JPモルガンのアナリストは、投資家がイーサリアムに関心を持った主な要因として、分散型金融(DeFi)とノンファンジブル・トークン(NFT)部門での継続的な動きを挙げた。また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が8月以降に記録したデータを引用して、イーサリアム先物の21日間の平均プレミアムがETHのスポット価格に対して1%に上昇したとしている。

Ethereum Futures daily price chart. Source: TradingView.com

クリプトクオントが提供するデータによると、JPモルガンの報告書は、すべての仮想通貨取引所から記録的な量のイーサトークンが引き出された時期と重なっている。報道時点では、取引プラットフォームのETH保有額は、1年前の2394万ETHに比べて1844万ETHに減少していた。

また、独立系アナリストのPostyXBT氏は、イーサリアム市場でさらに価格が反発する可能性を予想しており、以下のチャートに示すように、直近の下落により、古典的な累積レンジ内に押し込まれたことを指摘している。
 

ETH/USD weekly price chart featuring its latest accumulation range. Source: PostXBT, TradingView.com