イーサが3日、心理的に需要なレジスタンスである3000ドルを初めて突破した。記事執筆時点では3070ドル付近で推移している。

今回の上昇によって、イーサリアムの時価総額はウォルト・ディズニーやバンク・オブ・アメリカなどを抜いた。Infinite Marketcapによると、過去7日間で24%増に3467億2000万ドルとなった、一方のビットコインは1兆800億ドルで、銀の1兆4160億ドルより少ないが、フェイスブックの9231億2000万ドルよりは高い数値となっている。

最近では、イーサリアムがいずれビットコインの時価総額を抜くのではないかと主張も出てきている。

今回の、イーサリアムの上昇については複数の要因がある。1つ目は機関投資家をはじめとした動きが活発化していることだ。すでに欧州投資銀行がゴールドマンサックスなどと共同で、1億2100万ドル相当に2年物デジタル債券を発行することが明らかになった。DeFiに対する個人投資家の関心も高まっており、トータル・バリュー・ロックド(TVL)は1000億ドルを超えるほど急激に上昇している。

そして、イーサリアムの手数料体系を改善するEIP-1559を含むロンドン・ハードフォークや、イーサ2.0によるプルーフ・オブ・ステークへの移行は、投資家が期待する大きなイベントとなるだろう。

こうしたアップデートによって手数料が大幅に削減され、マイナーに支払われるイーサも減少する。そのためにイーサに対する売り圧力が減少することが期待されている。

イーサリアムの教育メディア「Bankless」のホストであるデビッド・ホフマン氏は、今回のさまざまな取り組みを半減期の3回分に相当するインパクトがあると述べている。半減期は、仮想通貨の価格上昇に大きく寄与すると考えられているイベントだ。

しかし、イーサリアムには、スマートコントラクトに対応した他のブロックチェーンの競争相手がいる。イーサリアムの人気が高まっていることは、イーサリアムチェーンの法外な取引手数料が高騰している原因の一つであり、ロールアップのようなレイヤー2ソリューションが実行できていないことから、複数の競合チェーンが活動を活発化させている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン