イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリンがロボットの前でひざまずき、「ニャー」と鳴いたように見える動画が拡散されており、いつものように仮想通貨業界ではその意味について憶測が飛び交っている。
「イーサリアムの未来はこの男の手にかかっている……ニャー」と、仮想通貨インフルエンサーのWendy Oは3月29日のX投稿で述べた。Cork Protocol共同創設者のフィル・フォーゲルもこの動画を共有し、「自分の職業人生と純資産の多くはブテリンにかかっている」としたうえで、この奇妙なやりとりが逆に「強気材料」だとコメントした。
コミュニティは動画をイーサ価格と関連付け
仮名のトレーダー「Scott Crypto Warrior」は自身のXフォロワー51万4,300人に向けてこの動画を共有し、「我々のETH(イーサ)ポジションの無事を祈ろう」と投稿した。
この短い映像では、ブテリンがひざまずき、四足歩行のロボットに向かってジェスチャーをした後、「ニャー」と鳴いて頭をなでる様子が映っている。執筆時点では、ブテリン本人はこの動画についてSNS上で言及していない。
Source: Rinor
動画のコメント欄では、自身のポートフォリオにイーサを保有していることを示唆する声が多く見られた。現在、イーサの対ビットコイン(BTC)相対価格は、過去5年で最も低い水準にある。
仮想通貨コメンテーター「The Count of Monte Crypto」は3月29日のX投稿でこう述べている。「この男が何をしようと自由だ。気にする必要はない……ないはずだが、自分の投資の大部分がこの人物にかかっているという事実に、正直かなり不安を感じる」
別の仮名トレーダー「sgp」も、「イーサリアムが1分足でマイナス5%になってるときに、ブテリンはロボットに向かって“ニャー”と鳴くのに忙しいようだ」と皮肉を込めて投稿した。
Source: Ali Bryant
ブテリンの風変わりな言動は、これまでも仮想通貨業界を楽しませてきた。2024年9月のシンガポール「Token2049」イベントでは、仮想通貨プロジェクトの「イタい」アンセムを名指しで批判し、さらに自らステージ上で歌い出して、会場とSNSの両方で好意的な反応を得た。
一方で、2024年12月にイーサが4,000ドル台を回復して以降、その価格は約55%下落している。
執筆時点でイーサは1,841ドルで取引されており、過去1か月で13.34%下落している。
Ether is trading at $1,841 at the time of publication. Source: CoinMarketCap
イーサが2,000ドルを下回っている状況を見て、仮想通貨トレーダーのアレックス・ベッカーは「長期的な絶好の買い場」とみている。
「2,000ドルを下回るETHを見て、『2年以内に大きな利益が出ない』なんて考えることが理解できない。いまは聖書時代以来もっとも簡単な資産トレードだ」と、アレックス・ベッカー氏は3月29日のX投稿で述べた。
一方、Castle Island Venturesのニック・カーター氏は最近、イーサリアムが投資対象として魅力を失いつつある理由について、レイヤー2によってメインネットから価値が吸い上げられていることや、過剰なトークン発行に対してコミュニティからの反発がほとんどないことを挙げた。
