仮想通貨分析企業グラスノードの最新レポートによれば、ブラックロックおよびフィデリティ・インベストメンツが提供する現物イーサリアム上場投資信託(ETF)に投資している多くの投資家が、現在大幅な含み損を抱えているという。

「ブラックロックおよびフィデリティのイーサリアムETFに投資している平均的な投資家は、現在約21%の含み損を抱えており、損益状況は大きく水面下にある」と、グラスノードは5月29日付のレポートで述べた。

イーサリアム(ETH)の現在の取引価格は2601ドルだが、これに対し、ブラックロックの現物ETFの平均取得単価は3300ドル、フィデリティに至っては3500ドルとされている。

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米中貿易戦争とETFの資金流出

イーサリアムが最後に3000ドルを超えて取引されたのは2025年2月2日で、それ以降は下落トレンドが続いていた。きっかけとなったのは、米国のトランプ大統領が中国、カナダ、メキシコからの輸入品に関税を課す大統領令に署名したことだった。

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Ether is up 45.14% over the past 30 days. Source: CoinMarketCap

グラスノードによれば、「2024年8月および2025年1月と3月に、スポット価格がETF投資家の平均取得単価を下回ると、ネット流出が加速し始めたことが確認されている」という。

イーサリアムは2025年4月9日に年初来安値となる1472ドルを記録。この日はトランプ氏による広範な関税政策が正式に発動した日でもある。

ただしその後は、貿易戦争の不透明感が後退し始めたことを背景に、イーサリアムは過去1か月で44.25%上昇しており、5月16日以降は9営業日連続でETFに計4億3560万ドルの資金流入が記録されている。

5月28日には、米連邦裁判所がトランプ氏の関税の大部分を無効とする判決を下したことを受け、市場全体にさらなる上昇期待も広がった。

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US spot Ether ETFs last clocked a net outflow day on May 15. Source: Farside

2024年7月に米国で現物イーサリアムETFがローンチされて以来、累計流入額は29億4000万ドルに達している。7月23日の上場初日、イーサリアムの価格はおよそ3536ドルだった。

ただしグラスノードは、「イーサリアムETFはスポット市場全体の取引量の±1.5%程度しか占めておらず、初動の市場反応は比較的穏やかだった」と指摘する。

ETFの存在感が一時的に高まったのは2024年11月で、このときの取引量シェアは2.5%を超えた。これは同月に行われた米大統領選でトランプ氏が勝利し、仮想通貨市場全体が1か月にわたる上昇相場に突入したタイミングと一致している。このときイーサリアムは12月8日に4007ドルまで上昇した。

その後、ETFの市場シェアは再び1.5%前後に低下しているという。

なお、ブラックロックのデジタル資産部門責任者ロビー・ミッチニック氏は、3月20日に開催されたデジタルアセットサミットにて、「ステーキング機能がない状態では、現物型イーサリアムETFは『完璧とは言えない』」との見解を示していた

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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