イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が、ネットワークのスループット向上を目指し、ガスリミットの「適切な」引き上げを提案した。

イーサリアム財団の研究チームが1月10日に開催したRedditの「何でも聞いて(Ask-Me-Anything)」において、ブテリン氏は、ガスリミットが約3年間引き上げられていないと指摘。これはプロトコルの歴史上最も長い期間だという。

研究チームの第11回AMAでブテリン氏は「正直言って、現在でも適切なガスリミットの引き上げは合理的だと思う」と語った。さらに簡単な計算を行い、これはおよそ4000万への増加を意味するとした。イーサスキャンによると、現在のガスリミットは3000万であるため、これは33%の増加を示唆している。

イーサリアムの平均ガスリミット. Source: Etherscan

2015年にイーサリアムが誕生した直後の平均ガスリミットは約300万で、ネットワークの利用や普及とともに時間の経過とともに増加した。

イーサリアムのガスリミットは、各ブロックで実行されるトランザクションやスマートコントラクトに費やすことができるガスの最大量を指す。ガスとは、ブロックチェーン上でトランザクションを行ったり、コントラクトを実行するために必要な手数料だ。

ガスリミットは、ブロックが大きすぎてネットワークのパフォーマンスや同期に影響を与えないように設定されている。バリデーターはまた、ブロックを生成する際に一定のパラメータ内で動的にガスリミットを調整することもできる。

ガスリミットを増やすことで、各ブロックにより多くのトランザクションを含めることができ、理論的にはネットワークの全体的なスループットと容量が増加する。しかし、ハードウェアへの負荷増加やネットワークスパム、攻撃のリスクも高まる。

イーサスキャンによると、イーサリアムでのトランザクションコスト、つまりガス価格は現在約35グウェイ(1.89ドル)だが、2024年の始めから上昇しており、複雑なスマートコントラクト操作の場合にはさらに高くなっている。

ネットワークのガス料金は2023年5月に150グウェイの年間最高値に急騰した。グウェイはイーサリアムの単位で、1ETHの10億分の1を表す。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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