ここに述べられている見解や意見は、あくまで筆者のものであり、必ずしもコインテレグラフ の見解を反映するものではありません。あらゆる投資や売買の動きはリスクを伴います。意思決定の際には、自身でリサーチを行ってください。市場データはHitBTCから提供されています。

世界の証券市場:多様なパフォーマンス

Stock

 先週、世界の証券市場はインドのBSE 30 Sensex指数の2.0%の上昇から、S&P 500指数の1.4%の下落まで、多様な終値をつけた。ドナルド・トランプ米大統領が5日、中国に対する新たな関税を実施するとの脅しをかけたことで、中国と米国の対立が激化するとみなされたため、貿易戦争への懸念が証券市場の不安感をあおった。

 米国の措置は中国が4日に、100種類以上の米国製品に新たな関税をかけると発表したことを受けたものだ。この対立が金利の上昇トレンドを背景として起こっているという事実が、投資家の懸念を増している。いうまでもなく、これがどのように終結するかは不透明で、市場は当然神経質になっている。

 テクニカル的には、ここ8週間ほどほとんどの主要な証券市場でほぼ進展がなかった。指数は1月の最高値からの急落後サポートを試し続けている。上昇トレンドは継続しているが、現在の価格サポート水準が破られれば、株式市場はさらに落ち込み調整が長引く恐れがある。

 中国の習近平国家主席が10日に重要な演説を行う予定の今週にかけて、貿易が投資家心理の重要な要因になり続けると予想される。トランプ大統領が、カナダのジャスティン・トルドー首相やメキシコのエンリケ・ペニャ・ニエト大統領とペルーで開かれる米州首脳会議で会うため、今週後半には、北米自由貿易協定(NAFTA)の改定についての前向きな発表があると期待される。さらに来週には決算発表が増え、意外な発表が市場全体に影響を与える可能性がある。

日経225指数:強気のウェッジ上抜け

 日経225指数は先週、初期段階の強気の下降ウェッジを上抜けて0.53%上昇した。先週レジスタンスがあった上昇トレンドチャネルの下側のラインより上に戻るのに十分な上昇の勢いがあるかどうかはまだ分からない。

 この上抜けで、日経225指数は200日間単純移動平均(SMA)(茶)より上に戻った。これ自体はポジティブだ。1月の高値からの最初の下落のサポートはこの200日間ラインにあり、22502.05のレジスタンスへの反発につながった。これは現在、強気のウェッジ上抜けからの目標値である可能性がある。しかしながら、日経が上昇トレンドラインより上に抜けた場合、50日間SMAのレジスタンス圏が近くにある。それは現在21922.87だ。

 レジスタンスでもう1段階動く前に、短期的には現在21550.42にある200日間SMAのサポートに戻る可能性がある。

NKY

ハンセン指数:下落

 香港のハンセン指数にはここ数週間圧力がかかり続けており、毎回より低い終値をつけ上昇トレンドライン(上昇トレンドチャネルの下側)より下に留まっている。先週は0.83%下落してここ8週間で最低の週間終値をつけており、次の重要なトレンドサポート圏である200日間SMA周辺にむかっているように見える。

 この200日間ラインは現在28927.75にあり、28903.00にある38.2%フィボナッチレジスタンスラインと15年から存在するより重要な28588.50周辺のレジスタンス(現在では潜在的なサポートである)と合わさって、下落が続いた場合に次の主要なターゲット圏を形成し得る。反発した場合は、動き出す前に相当の潜在的なレジスタンスと戦わなければならない。

HSI

仮想通貨

Crypto

 付属の表内の全ての主要な仮想通貨は先週、終値に向けての圧力の中で下落した。ビットコインキャッシュ(BCH)とアイオーが(IOTA)は前週の安値を下回ったが、下落の勢いの増加はまだ見られない。一方、他の通貨は前週の安値のサポートより上を保持した。

 日足、2時間足、4時間足のチャートのいずれかでなんらかの反転のサインが出てくるまで弱気のトレンドは継続すると予想される。ビットコインもイーサリアム(ETH)も4時間足チャートで反転パターンの可能性を示し始めている。このパターンについては後に議論する。

 なぜ仮想通貨の価格に圧力がかかり続けているのか? ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズ社の研究責任者であるトーマス・リー氏は、米国の納税期限日に先立って投資家が売却を行っているとの認識を示した。リー氏は先週米放送局CNBCに出演し、17年に生じた利益確定売りで米国のビットコインと仮想通貨の投資家には最低でも250億ドルのキャピタルゲイン税がかかっていると算出する自身の最近のレポートについて言及した。

 これは莫大な額だ。ありそうもないことだが、多くのトレーダーが売却時点で税金用の資金を取っておいているというのでなければ、投資家は義務を果たすために現在まだ持っている仮想通貨を売却することになり、価格には売り圧力がかかることになる。リー氏は確定申告期間が終わるまで価格の回復は起こりそうにないと感じているが、年末にはビットコインが2万5000ドルの価格をつけると観測をリー氏はまだ持ち続けている。

イーサリアム(ETH/USD):4時間足で逆三尊の可能性

 イーサリアムは明確な下落トレンドにとどまっており、全体的なテクニカルの状態は弱気である。しかし、取引可能な反発につながり得る短期的なパターンが形成されている。これまでのところ、直近の安値である358.00ドルで1月の高値である1424.30ドルから74.9%の下落となっている。

ETH

 日足チャートで見られるように、4週間前に下落トレンドが重要なサポートである上昇トレンドラインと200日間SMA(茶)の両方を突破し、下落が続いている。その後価格は明確に200日間ラインより下に動いた。しかし、200日間ラインの傾斜は大幅ではないものの、まだ上昇しており、50日間SMAはまだ200日間SMAより下で終値をつけていない。

 いずれかの時点でトレンドラインと200日間SMAのレジスタンスへのあや戻しが現実となる可能性があるが、買い方がより積極的になっていることを示すシグナルがまず必要だ。

 イーサリアムはここ9日ほど基本的に横這いで値を固めており、ある程度の底値を見つけようとしている。この間に逆三尊の可能性があるトレンド反転パターンが形成されており、モメンタムオシレーターである相対力指数(RSI)は強気のダイバージェンスを示している。

 418.79ドルより上への明確な動きでこのパターンの強気の上抜けが生じ、このパターンからの最低目標価格は478.67ドル付近となる。イーサリアムがそこから上がり続ければ、下落トレンドラインと、それから現在612.91ドルにある200日間ライン周辺のレジスタンスが次に狙う水準になる。一方、358.00ドルより下に下落すれば弱気のパターンの失敗である。

 

ETH

ビットコイン(BTC/USD)

 それほどよく形成されてはいないが、ビットコインも4時間足チャートで逆三尊の可能性があるパターンを示している。7506.84ドルより上への動きで強気の上抜けが起こり、日足がその価格水準より上で終値をつければそれが確固なものとなる。

 このパターンの計測から得られる最低の目標価格は約8422.68ドルだ。しかしより高い潜在的な目標価格帯には、9037.80ドルの50日間SMA、さらに現在9488ドル付近にある200日間SMAと下落トレンドラインが含まれる。右肩である6510ドルより下への下落で失敗の可能性と弱気のシグナルが最初に示され、頭である6427.16ドルより下への動きでそれが確固なものとなる。

BTC

市場データは HitBTCから、分析用チャートは TradingViewから提供されています。