英国の中銀であるイングランド銀行は12日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の議論のたたき台となるディスカッションペーパーを公表した。

ペーパーは57ページに及び、カーニー総裁の「デジタル通貨を導入する際は、政府と検討し、慎重に設計する必要がある」とのコメントを掲載。他の中銀と同様に慎重姿勢をあらためて強調した。

ペーパーの内容は、今後の制度設計の論点を整理したもの。CBDCは決済インフラにイノベーションを起こすが、金融安定性に悪影響を与える可能性もあると言及した。発行するかどうかは決定していないが、CBDCを発行する場合は英ポンドと同じ価値になるとしている。

CBDCは英ポンドを代替するのではなく、銀行の預金などと並行して利用するとした。

ディスカッションペーパーを基に6月12日まで意見を受け付けるという。

イングランド銀行は日銀や欧州中央銀行(ECB)の6中銀と国際決済銀行(BIS)とともに今年1月にCBDCを研究する組織の結成を発表している。