オランダでドミノ・ピザのフランチャイズを展開する企業が、従業員への給与支払いでビットコインを選択できるようにしたと発表した。

オランダ国内で16店舗のドミノ・ピザのフランチャイズを抱えるイメンサス・ホールディングスによると、最低賃金を超える給与分をユーロまたはビットコインで選べるようになったという。オランダ拠点の仮想通貨企業BTCダイレクトが支払いをサポートするという。イメンサス・ホールディングスは1000人以上の従業員を有している。

イメンサスの共同創業者であるジョナサン・グレビッチ氏は「当社は現代企業であり、多くの若い従業員が働いている。彼らがビットコインについて話しているのを聞いて、私たちは仮想通貨を所有する機会を提供したいと考えた」と話した。

オランダの法律では、企業は従業員の最低賃金をユーロで支払うことが義務付けられている。オランダの最低月給は、年齢や労働時間によって異なるが、一般的に15歳から18歳の労働者でも、ドミノ・ピザで働くことで、現地の法律で定められている以上の収入を得ることができる。これは毎月少しずつビットコインを手にすることができる可能性につながる。

イメンサスがビットコインによる支払いを提供すると発表した日は、5月22日。これは「ビットコイン・ピザの日」と同日だ。「ビットコイン・ピザの日」はビットコインが初めて商業取引に使われた日として知られる。取引されたのはピザ2枚だ。しかし、2021年の5月22日にはビットコインや多くのアルトコインの価格が2桁下落し、BTCも3万ドルを割りそうな勢いで急落した。

BTCダイレクトのジェリミー・マーカス氏は、「ビットコインによる月給は、ビットコインへのドルコスト平均法と同じ効果がある」と述べている。

「つまり、市場のタイミングを計る必要がなく、長期的には短期・中期のボラティリティーを打ち消すことができる。これは従業員にとってもメリットがあり、増え続ける資産の中で自動的に価値を蓄えることができる」

2010年に「ビットコイン・ピザの日」にピザ2枚を購入した際のコストは10000BTCだった。10000BTCは現在では数億ドルの価値がある。しかし、ビットコイン強気派やピザ愛好家の中にも、BTCを交換手段として使うことを躊躇している人がいるようだ。

19日、仮想通貨に関する教育的なポッドキャストで知られるアンソニー・ポンプリアーノ氏(通称ポンプ)は、ピザ会社「ビットコイン・ピザ」を立ち上げることを発表した。売上利益は国際NGOであるヒューマン・ライツ・財団のビットコイン開発基金に100%寄付する。しかし、「ビットコイン・ピザ」の顧客は、支払いに仮想通貨対応カードしか使用できず、直接BTCを使った決済は受け付けていない。ポンプは次のようにその理由を説明している

「ピザのためにビットコインを手放すことを望んでいるのではなく、ビットコイン開発基金を支援するために、減価してしまった米ドルで資金を調達する。これによって全国の零細企業が苦しい経営の中で、地元のピザ店もサポートできる」