分散型仮想通貨取引所(DEX)が、メインネットのプログラムを閉じるコマンドを誤って実行し、回復不可能な状態になったため、66万ドルにのぼる資産が失われる事態となった。

分散型取引所OptiFiは、開発チームが月曜日にコードをアップデートしようとした際、そのプラットフォームが突然終了してしまったとユーザーに通知した。OptiFiによると、このプログラム・インシデントにより、約66万枚のUSDコイン(USDC)がオンチェーンにロックされてしまった。

OptiFiは、このエラーによって失われたユーザーの資金を補償することを約束している。ただロックされたUSDCの大部分は、同社のチームメンバーによるものだったという。同社はまた、ソラナ・ブロックチェーンに取り組む他の開発者に対し、'solana program close' コマンドの影響に注意するよう促している。

Mediumの投稿で、OptiFiは、メインネットの突然の閉鎖につながった一連の出来事を説明している。それは、ソラナのプログラムコードのアップデートを展開しようとしたことから始まった。

開発チームによれば、ネットワークの状態が悪かったため、展開に通常より時間がかかり、コマンドはキャンセルされた。しかし、SOLを受信するバッファ・アドレスが作成されたので、チームはそれを復旧させようとした。

過去には、プログラムを終了することで、メモリフレーズを使用せずにバッファアカウントからSOLを回復させることができた。この方法は当初はうまくいったように見えたという。コマンドを実行した後、SOLを回復させ、2回目のプログラムの展開を試みることができた。

その結果、プログラムが終了しており、新しいプログラムIDを使用しない限り再展開できないことを示すエラーメッセージが返された。ソラナのコア開発者と話し合った結果、以前のIDでは再展開ができないというチームの懸念が確認された。

「ここで、私たちはこのプログラムを閉じるコマンドラインの影響とリスクを本当に理解していなかったことが判明した。'solana program close' は、実際にはプログラムを永久に閉じ、プログラムが使用していたバッファアカウントのSOLトークンを受信者のウォレットに送り返すためのものだ」という。

OptiFiチームは、ソラナ開発コミュニティに対し、'solana program close' 機能を実行する際の2段階確認を検討し、コマンドを使用した結果についてユーザーに注意を喚起するよう求めている。