分散型取引所(DEX)のユニスワップは、7日間の移動平均でホストブロックチェーンであるイーサリアムの支払手数料を追い越した。

この急騰は、現在の弱気市場の中でDeFiに対する高い需要が一部であるようだ。AAVEやSynthetixなどの分散型金融(DeFi)プラットフォームは過去7日間に支払われた手数料が急増し、それらのネイティブトークンやコンパウンド(COMP)などの他のトークンも価格が急上昇している。

Crypto Feesのデータによると、ユニスワップは6月15日から6月21日の間に1日平均487万ドル相当の手数料だったが、イーサリアムの平均手数料458万ドルを上回った。

ユニスワップの最先端プロトコルであるV3(イーサリアムメインネットベース)は440万ドルで手数料総額の大半を占め、V2バリアントも33万6556ドルとなっている。

6月15~21日の間、イーサリアムの手数料総額がユニスワップを上回ったのは、7日間のうち2日間だけだった。手数料のピークを見ると、ユニスワップは6月15日に836万ドルを記録し、同日のイーサリアムの799万ドルを上回った。

Top fees paid: Crypto Fees

ユニスワップは、取引を促進する中央集権的な機関を持たず、イーサリアムベースのトークンのピアツーピア(P2P)スワップを可能にする。これは、自動化されたスマートコントラクトによって実現されている。ユニスワップの手数料体系では、手数料はトレーダーから流動性プロバイダーに支払われ、プロバイダーはDEXで手数料を受け取る。

イーサリアムはDeFiの大半が存在するブロックチェーンであり、手数料が高いことで知られていることを考えると、ユニスワップなどのDEXが1週間にわたって手数料でイーサリアムを打ち負かしたことは注目されるものだろう。

CoinGeckoのデータによると、UNIは過去7日間で17.4%上昇し、記事執筆時点では5.18ドルになっている。最近のNFTマーケットプレイス・アグリゲーター「ジーニー」の買収や、ニューヨーク証券取引所の元社長であるステイシー・カニンガム氏がユニスワップ・ラボのアドバイザーに就任したことが影響しているのかもしれない。

DeFiの上昇

ユニスワップだけでなく、いくつかのDeFiプラットフォームでも、現在の弱気市場にもかかわらず、投資家の強い需要を示しいてる。最近、これらのDeFiプラットフォームの手数料とトークン価格が急騰している。

特に、レンディングプロトコルAAVEと合成デリバティブ取引プラットフォームSynthetixは、過去7日間の平均支払手数料がそれぞれ98万1883ドルと60万214ドルで3位と5位にランクインしている。

ユニスワップと同じく、AAVEも6月15日に手数料が急増し、総額が69%増の144万ドルに達した。そのネイティブトークンAAVEも、その後22%上昇している。

Sythentixのプラットフォームでは、6月11日から6月13日の間に支払われた手数料が928%も増加し、その額は84万3297ドルにまで上昇した。その後、6月17日には約40万ドルにまで下がり、6月19日にはさらに150%増の約100万ドルにまで急騰している。

このブームは、SynthetixのネイティブアセットであるSNXを観察してもわかる。この背景には、先週公開されたSynthetix改善案120があり、ユーザーは「手数料の回収なしにアトミックに資産を交換」できるため、取引速度が向上したことがあるようだ。