仮想通貨がその潜在能力を発揮するなら、分散型ステーブルコインが最終的にステーブルコイン市場を支配するだろう。こう話すのは、DeFiの先駆者であるメーカーダオ(MakerDAO)の共同創設者ルーン・クリステンセン氏だ。
シンガポールで開催された「Token 2049」で、クリステンセン氏はコインテレグラフのインタビューに答えた。同氏は、ダイ(DAI)のような分散型ステーブルコインの未来や、仮想通貨経済における役割について語った。
クリステンセン氏は、カンファレンスでキャッスル・アイランド・ベンチャーズのパートナー、ニック・カーター氏が行ったプレゼンテーションを取り上げた。カーター氏は、利息を生むステーブルコインが2年以内に市場の30%を占める可能性があると主張した。
クリステンセン氏はこれに同意したが、マクロ経済の状況次第だと言い、「もし高インフレと高金利が続くなら、ステーブルコインの優位性は増えるだろう」と語った。

分散型ステーブルコインが中央集権型ステーブルコインと競合できるかどうかについて質問すると、クリステンセン氏は「仮想通貨がその潜在能力を発揮すれば、分散型ステーブルコインが市場全体を占め、中央集権型ステーブルコインは既存システムとの接続部分となるだろう」と返答した。
また、仮想通貨が「成果を上げ」て規制されるようになれば、中央集権型ステーブルコインがより一般的になるだろうと彼は付け加えた。しかし、真の潜在能力は分散型ステーブルコインにあると彼は主張する。
「私が考える分散型ステーブルコインの真の強み、特にメーカーのようなデータに基づいて運営されるものは貯蓄をゲーム化する能力だ」と彼は語った。
2022年半ば、クリステンセン氏はメーカーダオの「エンドゲームプラン」を提案した。このプランでは、DAIを実世界の資産(RWA)に担保された浮動資産とすることを提案している。
DAIは3年間ドルに連動するとされている。この期間中、プロトコルはRWAを最大限に活用し、可能な限り多くのETHを蓄積することで、分散型担保の比率を高めることに注力する。
クリステンセン氏は、メーカーが非常に堅固で安定した基盤を築いていると信じているが、詐欺的で不正なプロジェクトに追い越されてしまったと語った。
彼はプロトコルをゲーム化し、若いユーザーにとって楽しく魅力的にすることを試みたいと考えている。「それが人々が求めるものだ」と彼は語り、「物事はゲームのように設計され、それが彼らが使うインターフェースだ」と付け加えた。
