市場監視会社ソリダス・ラボによると、過去3年間で2万以上の仮想通貨トークンが分散型取引所(DEX)によるウォッシュトレードを通じて操作されている。
ソリダス・ラボは2023年の仮想通貨市場操作レポートを9月12日に公開し、3万のETHベースのDEX流動性プールのサンプルのうち、約70%が2020年9月以降にウォッシュトレードを実行していることを明らかにした。これは約20億ドル相当の仮想通貨を占めている。
ウォッシュトレードは、同一の資産を売り買いする市場操作の一形態だ。これにより、市場での取引活動について偽の印象を与えることになる。
ウォッシュトレードは伝統的な金融でも存在するが、仮想通貨の場合、市場操作者がこれを行う手段がより容易であるとソリダス・ラボは主張している。
「仮想通貨では、流動性がさまざまな中央集権型および分散型取引所に分散しており、操作しやすい小規模な市場が生じている」と述べた。
また、オンチェーンのウォッシュトレードの検出と防止に誰が責任を持つべきかという規制上の問題も存在する。これは分散型金融のボーダレスな性質も影響している。
「市場操作は仮想通貨業界内で依然として重大な課題であり、特に規制当局の厳しい監視と機関投資家の参入が進む時代において特にそうだ」とソリダス・ラボの創設者でCEOのアサフ・メイア氏は語った。「ここで明らかにしたウォッシュトレーディングの活動は、市場操作の明確な兆候であり、仮想通貨とDeFiが繁栄するためには防止する必要がある」。
ソリダス・ラボは、ウォッシュトレーダーはさまざまな形を取り、ラグプルを求めるトークンデプロイヤーから、今後のトークンエアドロップで利益を得ようとする投機家、投資家やユーザーを引き付けるために取引量を高く報告する取引所やマーケットプレイスの運営者まで、さまざまな形を取ると説明している。
2022年、全米経済研究所の研究では、規制されていない取引所の取引量の70%以上がウォッシュトレードであると指摘されている。
研究者によれば、ウォッシュトレーディングには短期的なインセンティブがあり、偽の取引はしばしば、CoinMarketCapやCoinGeckoなどのデータ統計ウェブサイトでの取引所のランキングに影響を与える。さらに、偽の取引は短期間に取引所内の仮想通貨価格にも影響を与える。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン