米国の麻薬取締局(DEA)は今年初めに詐欺にひっかかり、押収したテザー(USDT)5万5000ドル(約800万円)を失った。

フォーブスは8月24日、DEAが数年にわたる捜査の一環として、麻薬密売からの資金洗浄に関連した疑いのあるバイナンスの2つのアカウントから50万ドル以上のUSDTを押収したが、それを誤って詐欺師に送金してしまったと報じた

フォーブスが確認した捜査令状によると、これらの資金はDEAが管理するトレザーの仮想通貨ウォレットに保管された。DEAは通常の押収処理の一環として、45ドル余りのUSDTを連邦保安官局に送金した。

ある詐欺師がこの取引を監視・追跡しており、連邦保安官局のアカウントと同じ最初の5文字と最後の4文字で仮想通貨ウォレットを素早く設定した。これは「アドレスポイズニング」として知られる詐欺の手口である。

詐欺師は、偽造アドレスが最近の取引として表示され、ウォレット所有者を間違ったアドレスに資金を転送するように誤導するため、DEAのウォレットにトークンをエアドロップした。その結果、DEAの捜査官が詐欺師に5万5千ドルを送金してしまった。

連邦保安官局が気づき、DEAに連絡してテザーに資金の凍結を依頼した時にはすでに遅く、USDTはすでにイーサ(ETH)とビットコイン(BTC)に交換され、別の仮想通貨ウォレットに移されていた。

DEAはFBIと共にこの事件を捜査中で、攻撃の背後にいる人物を見つけることができていない。これまでに見つかったのは、攻撃者のウォレットのガス料を支払った2つのバイナンスアカウントで、これらのアカウントはGmailのメールアドレスを使って登録されていた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン