仮想通貨ビットコインを大量保有する「クジラ」は相場の変動に左右されず、長期的な視点を持っているようだ。
68000BTC(約564億円)を保有する大型のクジラ(ビットコインの大量保有者)は5年以上資金を動かしておらず、その他のクジラも平均4.7年間ビットコインを保有しているというデータをコインマーケットキャップが明らかにした。
データによると、3月の大暴落の際でも多くのクジラが資金を動かさなかったことが示されている。これは多くのクジラがビットコインを安心して保有しているということだ。仮想通貨市場に対し、楽観的な長期トレンドと裕福な投資家の忍耐力が見て取れる。
(出典:コインメトリックス 「ビットコイン大型クジラファンドの動き)
クジラは何をしているのか
2015年以降、仮想通貨市場を支えるインフラは飛躍的に改善されている。信頼できるカストディアンや先物取引所の開設、さらに安定した銀行サービスに裏付けられた大規模なスポット取引所も存在している。
個人投資家と機関投資家の両方が、激しい修正後のビットコインを積極的に蓄積している。Coinbaseが発表した分析レポートによると、3月に3,750ドルまで下落した後、個人投資家はすぐに押し目を購入した。
また、グレイスケールの2020年第1四半期レポートのデータによると、機関投資家からのビットコインへの需要が顕著に増加していることがわかっている。
より多くの投資家がビットコインを保有すると、BTCの供給量が減少し、市場の下落トレンドを弱める可能性がある。
時間の経過とともに、ビットコインが2100万という供給量に近づくにつれて、修正局面が弱くなる可能性がある。
さらに、クジラやその他の長期保有者は、失われたビットコインが回収できないこと、コインの供給量に上限があること、半減期を迎えることで新たにビットコインが市場に供給される速度が低下することなどから、ビットコインに対して長期的に保有することが最適な資産と見ているかもしれない。
コインメトリックスリサーチは以下のように述べている。
「大規模なビットコインのクジラが5年間のHODLerに進んだ。先週68000BTCが5年間のアクティブサプライのバンドから移動したのだ。これは、最後にオンチェーンに移動したのは2015年4月だったことを示している。」
半減期まであと13日となったとはいえ、クジラのビットコインの売り渋りとは無関係に、BTCが激しい下落を見せる可能性は残っている。しかし、クジラの楽観的なスタンスは、短期的には降伏のような下落の確率を低下させている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン