10日のビットコインは、前日の下落基調は落ち着いているものの、8000ドルのレジスタンスを突破できていない。CMEのギャップ埋めも起きなかった。今回の下落については著名アナリストも一旦はビットコインから「退場」したのだろうか。

仮想通貨相場
(出典:Coin360 3月10日午前12時10分)

今回の暴落はテクニカルアナリストたちの予想をはるかに超えていたようだ。

著名テクニカルアナリストのアレッシオ・ラスターニ氏は、これまでの自身のYouTubeチャンネルで、8300ドルを下回ったらロングポジションを全部売ると発言。8300ドル付近は3つのテクニカル指標が集まる水準である「トリプルサポート」であり、この水準を下回るとかなり大ごとだという認識を示していた。

そして、この大台を割り込んだ後に10日に更新された動画で「I Got Out of Bitcoin(ビットコインを放出)」とのタイトルを掲載。

今回の株価の暴落や原油安という要因で市場が崩壊したことはビットコインにも悪影響を与えていると指摘し、これまでの強気から一転、弱気相場となったことを弁明した。

こうした予想が外れた著名アナリストは他にもいる。ボリンジャーバンド指標の開発者であるジョン・ボリンジャー氏も今回の動きについては予想できなかったと発言した。

「ビットコインがCOVID-19の犠牲になった。こんなことが起こるとは思っておらず、ビットコインが安全資産として機能すると思っていた」

ただ、一方でラスターニ氏は、今後の強気に戻るための重要点についても言及。

重要ポイントは現在8600ドルである21日間移動平均(EMA)。現在はこれを下回っており、売りが優勢のトレンドだが、反対に捉えれば、8600ドルを上回ることがあれば、再び強気相場になるとして、その際は自身もまた戻ってくるとした

(出典:Alessio Rastani)

ラスターニ氏は、2016年や2017年の強気相場の際にも21日EMAを下回ったこともあり、回復後に強気相場が始まったことから、今回も回復すれば、全体としては強気相場になると信じているという。そのためにも現在はトレンドが反転するまでリスクを最小限に抑えることが重要だとアドバイスした。

投資家心理は一転「極端な恐怖」に

現在の相場状況は、アナリストや投資家心理も実際に数値に表れている。

データ提供会社オールターナティブ・ドット・ミーによると、3月9日の「仮想通貨の恐怖&強欲指数」は17。「極端な恐怖」の水準であり、6000ドル台を推移していた昨年12月と同水準まで下がった。

恐怖&強欲指数

(出典:Alternative.me 仮想通貨の恐怖&強欲指数)

オールターナティブ・ドット・ミーは、ボラティリティとモメンタム、取引量、調査、ドミナンスとトレンドの5項目をそれぞれ25%、25%、15%、10%、10%で計測。0(極端な恐怖)から100(極端な強欲)で日々数値を更新している。

ただ、オールターナティブ・ドット・ミーによると、「極端な恐怖」は買いの機会、「極端な強欲」は調整間近を示している可能性もあるという。