仮想通貨のウォレットアプリを手がけるギンコ(Ginco、東京・渋谷)は4日、仮想通貨のマイニング事業に参入したと発表した。モンゴルに設立した子会社のギンコ・モンゴルがマイニング事業を担い、マイニング機の販売や運用代行をする。Gincoによると、ウォレット事業者としてマイニングに参入するのは初の試み。

 すでにモンゴルでマイニング機は稼働している。今後は、Gincoのウォレットを通じて、利用者が直接マイニングに参加し利益を得る、世界初のクライアント型ウォレット直結のクラウドマイニングサービスの提供を予定している。同社の説明によると、これはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)などのコンセンサス・アルゴリズムにおいて競争優位性を発揮するマイニングモデルという。

 モンゴルで事業を行う理由については、電気料金、土地代、人件費が安価であり、仮想通貨に好意的な規制があることをあげている。

 マイニング事業を手がける企業にはGincoのほか、DMM.com、GMOインターネット、ビットポイントジャパン、熊本電力などがある。

 【以下情報追加】

 Gincoの広報担当によると、クラウドマイニングは年内のサービス開始を目標としている。クラウドマイニングが証券と見なされる可能性については、モンゴル国内ではブロックチェーン技術全般に関する法規制が行われておらず、当面は静観の方針をとると見られており、法的な懸念はないという。しかし、証券と見なされる場合には、提携企業が各種事業者資格を持っているため、スキームを調整できるとした。

 日本国内の規制に関して言うと、クラウドマイニングは証券とみなされる恐れがあり、金融二種の事業者資格を必要とするため、国内展開を目指して弁護士と相談している。また、両国の規制強化に備え「ハッシュパワーの販売」と「業務委託契約」というかたちでサービスを設計し、証券の定義にかからないように調整を行うことも検討している。

 販売するマイニング機は、ビットメインのアントマイナーシリーズS9、L3と、米国の米半導体メーカーであるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のGPUマシン6枚挿し、8枚挿し。当面は自社開発はせず、卸売に主軸を置くという。

 採掘するコインの種類は、当面はビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)で、今後拡大する計画だ。