仮想通貨関連の上場企業が今年3桁の利益率を記録し、12月4日にはビットコイン(BTC)が4万2000ドルを超える新たな年間最高値を達成したのに伴い、足元でも株価が上昇している。
仮想通貨取引所コインベース(COIN)は5.5%上昇し、141ドルをわずかに超える価格で取引を終え、年初から320%上昇した。ビットコインマイナーのマラソン・デジタル(MARA)とライオット・プラットフォームズ(RIOT)は、それぞれ8%以上の上昇を記録し、年初からのリターンは337%と345%に達した。

仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタル・ホールディングス(GLXY)は、ほぼ12%の上昇となり、年初から155%上昇した。最も多くのビットコインを保有する公開企業で、66億ドル以上の価値があると評価されるマイクロストラテジー(MSTR)は、6.5%以上の上昇と年初から288%の上昇を見せた。
これは、12月4日の北米株式市場が上昇と下落で別れたにもかかわらずである。マイクロソフトなどの大手テクノロジー株は、その日に1.43%下落し、アップルは0.95%下落した。グーグルは2.02%、チップメーカーのエヌビディアは2.68%下落した。
しかし、仮想通貨関連株は、それでも過去最高値を大きく下回っている。
IGオーストラリアの市場アナリスト、トニー・シカモア氏はコインテレグラフに対し、仮想通貨関連株の上昇は「最近のビットコインの顕著な上昇の後押しを受けている」と言う。ビットコインは年初からほぼ152%上昇し、4万2000ドルに迫っており、すでに過去19ヶ月での最高値を記録している。
シカモア氏は、投資家は米国が現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)を承認するまで、仮想通貨へのエクスポージャーを得る手段として仮想通貨株をみていると述べる。「ビットコインの価格が上昇すると、興奮が燃え上がり、仮想通貨エコシステム全体での取引量と参加が増加する」と彼は付け加えた。

シカモア氏は、ビットコインは「2021年以来見られなかった一連の追い風に支えられている」とし、現物型ETFの承認に対する楽観論、来年の米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの可能性、そして4月に予定されているビットコインの半減期を強調した。
ゼロキャップの投資チーフ、ジョン・デ・ウェット氏は、ETFの承認と半減期は「仮想通貨業界という大鍋に火をくべることになる」と話す。
CMCマーケッツのアナリスト、ティナ・テン氏とデ・ウェット氏は、仮想通貨株は市場に間接的にエクスポージャーするための「取引所上場の代理品」という見方に同意している。テン氏は、保留中の現物型ETFが8月以降のビットコインの上昇において「強気要因」となっていると述べた。
「ETFは確かにセンチメントの重要な要因だ」とデ・ウェット氏は語る。「また、参加者が希少資産の価値をますます認識するようになっている、成熟している仮想通貨市場を目の当たりにしている」。
シカモア氏は、最新の興奮の波が新しい仮想通貨投資家を引き付け、増加する関心、ボラティリティ、取引量は仮想通貨取引所や類似のビジネスの収益と利益を意味すると付け加えた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン