新型コロナウイルスによって仮想通貨詐欺師たちの収入は3分の1減少した。4月10日にブロックチェーン上での犯罪を追跡するチェイナリシスがレポートを発表した。

世界的に外出自粛や禁止命令が出る中、ネットの犯罪者にとってターゲットが増えるのではないかとも考えられる。しかしチェイナリシスによると、3月初め以降で仮想通貨詐欺師たちの収入は減少している。

(出典:Chainalysis 「詐欺師のアドレスに送られた仮想通貨の額とビットコイン価格」)

3月13日から3月31日に仮想通貨詐欺師たちに送られた額は61%も減少。4月に入って回復傾向にある。

チェイナリシスによると、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた詐欺師たちは、投資詐欺やポンジスキームに集中している。しかし、Eメールスパムを使った詐欺などは横行しており、注意喚起する必要があると警告した。

Eメールを使った詐害の1つは、有名人や団体、慈善活動になりすましたフィッシング詐欺。新型コロナウイルスが蔓延する中で米国疾病予防管理センター(CDC)になりすまし、ウイルスと闘うために仮想通貨による寄付を呼びかけるケースなどが報告されているという。

もう1つ目は、個人情報を盗んだと主張し家族や友人にばらまかれたくなければ仮想通貨を送れと脅すブラックメール詐欺。現在は、仮想通貨を払わなければ新型コロナウイルスを家族に移すと脅すケースが報告されているそうだ。