仮想通貨取引所Gate.ioは8日、イーサリアムクラシック(ETC)に対する51%攻撃を確認したとするレポートを公表した。攻撃による損失額を確認し、利用者に対して補償する方針を明らかにした。

このレポートによると、51%攻撃は、世界標準時間(UTC)で2019年1月7日の0時40分から4時20分の間(日本時間2019年01月07日(月) 9:40~2019年01月07日(月) 13:20)に発生。イーサリアムクラシックのブロックチェーン上において7つの取引の巻き戻しが発生。そのうちの4件は、51%攻撃によるもので、3つのアドレスを使って5万4200ETC(約3000万円)が送金されたという。

Gate.ioは、「初期の段階で51%攻撃を阻止」したものの、「すべての取引が妥当に見えブロックチェーン上で確認され、承認されてしまった。このため4万ETCの損失が出た」と経緯を解説。「すべての損失を補償する」と利用者に対して呼びかけた。

イーサリアムクラシックへの51%攻撃を受けて、米国の大手仮想通貨取引所コインベースは、イーサリアムクラシックの取引を全て停止すると発表。日本でもコインチェックとビットフライヤーがイーサリアムクラシックの入出金を一時停止した。

コインベースは8日、51%攻撃を受けたとされるイーサリアムクラシック(ETC)の損失額が110万ドル(約12000万円)に上ると発表した

51%攻撃(51% attack)とは、仮想通貨取引の不正を成立させる危険性の一つ。理論上、PoWにより構築されるブロックチェーンにおいて、ある個人や集団が全体の計算能力の過半数以上を獲得することで取引記録の改ざんなどの不正を行うことは可能である。しかし、過半数の計算能力を獲得するためのコストや、その仮想通貨の不信による価格の暴落を考慮すると、不正をするインセンティブは低いものであると言われている。

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