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Amin Haqshanas
執筆者:Amin Haqshanasスタッフライター
Bryan O'Shea
校閲:Bryan O'Sheaスタッフ編集者

仮想通貨の資本、トークンから株式へ転換 新規上場の苦戦が背景=DWF

仮想通貨の資本、トークンから株式へ転換 新規上場の苦戦が背景=DWF
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マーケットメイカーであるDWFラボ(DWF Labs)の調査と見解によれば、新規発行トークンの苦戦を受け、投資家の資金はトークンから上場している仮想通貨関連企業の株式へと流入を強めている。

主要な中央集権型および分散型取引所での数百件のトークン上場を網羅したメメント・リサーチ(Memento Research)のデータを引用し、同社はプロジェクトの80%以上が「トークン生成イベント(TGE)」価格を下回っていると指摘した。上場から約90日以内の典型的な下落率は50%から70%に達しており、一般の買い手は上場直後に即座に損失に直面するケースが多い。

DWFラボのマネージング・パートナーであるアンドレイ・グラチェフ氏は、コインテレグラフに対し、これらの数字は短期的な市場のボラティリティではなく、上場後の恒常的なパターンを反映していると述べた。同氏によれば、ほとんどのトークンは上場後1カ月以内に価格のピークを迎え、その後は売り圧力の増大とともに下落傾向を辿るという。

グラチェフ氏は「TGE価格とは、上場前に設定された取引所でのリスト価格のことだ」と説明。「これは取引所での取引開始価格であり、上場初動数日間のボラティリティで価格が実際にどれほど変動したかを確認することができる」と付け加えた。

Source: DWF Ventures

今回の分析は、ミームコインではなく、製品やプロトコルを持つプロジェクトに関連した構造的なローンチに焦点を当てたものだ。下落の主な要因としては、エアドロップ(無償配布)や初期投資家によるロック解除が主要な売り圧力源として特定された。

トークンから資本がシフト、仮想通貨IPOとM&Aが急増

対照的に、仮想通貨セクターに関連する伝統的市場での資金形成は強化されている。2025年の仮想通貨関連の新規株式公開(IPO)による資金調達額は約146億ドルに達し、前年から急増した。また、合併・買収(M&A)活動は425億ドルを超え、過去5年間で最高水準となった。

グラチェフ氏は、この変化を資本の撤退ではなく「ローテーション(循環)」として理解すべきだと主張する。「もし資本が単に仮想通貨から逃避しているのであれば、IPO調達額が前年比48倍の146億ドルに跳ね上がり、M&Aが過去5年で最高の425億ドル超を記録し、仮想通貨関連株のパフォーマンスがトークンを上回るようなことは起きないはずだ」と同氏は述べた。

報告書の中でDWFは、サークル(Circle)、ジェミナイ(Gemini)、イートロ(eToro)、ブリッシュ(Bullish)、フィギュア(Figure)などの上場(または上場予定)企業と、トークン化されたプロジェクトを過去12カ月の株価売上高倍率(PSR)を用いて比較した。上場企業のPSRが約7倍から40倍であるのに対し、比較可能なトークンプロジェクトは2倍から16倍にとどまっている。

同社は、この評価額の差は「アクセスのしやすさ」によって生じていると論じている。年金基金や大学基金などの多くの機関投資家は、規制された証券市場への投資に限定されている。上場株式は指数や上場投資信託(ETF)に組み込まれることも可能で、パッシブ運用製品からの自動的な買い需要を生み出す。

ウィーファイ(WeFi)の共同創設者兼グループCEOであるマクシム・サハロフ氏も、トークン上場からの資本のローテーションを確認した。「リスク許容度が低下しても投資家の意欲がなくなるわけではない。投資家はよりクリーンな所有権、明確な情報開示、そして法的強制力のある権利への道を求め始めているのだ」と同氏は語った。

サハロフ氏は、資金がカストディ、決済、清算、ブローカー、コンプライアンスといった「インフラ」に近いビジネスに向かっていると付け加えた。また、「株式というパッケージ(ラッパー)」は、ライセンス取得、監査、提携、販売チャネルの構築など、実世界での採用と整合性が取れているため魅力的であると指摘した。

なぜ投資家はトークンより仮想通貨関連株を好むのか

サハロフ氏によれば、市場はますますトークンとビジネスを別物として扱うようになっている。トークンだけでは販売網や機能する製品の代わりにはならない。もしプロジェクトが安定したユーザー、手数料、取引量、定着率を生み出せなければ、トークンの価格は実体ではなく期待値のみに基づいたものとなり、初期は成功しても後に失望を誘う結果を招くという。

上場している仮想通貨関連株が必ずしも安全というわけではないが、投資家にとって評価がより明確で容易であるとサハロフ氏は指摘する。上場企業には報告基準やガバナンス、法的請求権があり、機関投資家のポートフォリオ規制にも適合する。対して、トークンの保有にはカストディの承認や内部規程の変更が必要になることが多い。

グラチェフ氏は、このシフトを循環的なものではなく「構造的なもの」と表現した。トークンはインセンティブやガバナンスのためにネットワークの一部として残り続けるだろうが、機関投資家の資本はますます「株式のレール」を好むようになるとの見方を示した。

「トークンが消滅することはないが、永続的な二極化が進むだろう。実益を伴う本格的なプロトコルは繁栄する一方で、投機的なローンチが続くロングテール(その他大勢)のプロジェクトは、より厳しい環境に直面することになる」と同氏は締めくくった。

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