自称サトシ・ナカモトのクレイグ・ライト氏とかつてのパートナーであるクレイマン氏の資産管理人の間で行われている裁判で、フロリダ州の裁判所は、かつて両氏がマイニングした110万BTC(約110億ドル、1兆1700億円)の50%の権利をクレイマン氏側が持つことを認めた。モダーン・コンセンサスによると、ライト氏がこの裁判の後に独占インタビューに応じ、「50億ドルをBTCで払うしかないだろう」と発言。その結果、ビットコイン(BTC)の売り圧力が高まるかもしれないと警告した。
110万BTCは、ライト氏とデイブ・クレイマン氏が2009年~2011年の間に共同でマイニングしたとされる。クレイマン氏は、2013年4月に死去している。
ライト氏によると、ライト氏の50億ドルはクレイマン氏の親族(イラ・クレイマン氏)が「相続」をするとこになる。フロリダ州の遺産税が40%かかるためクレイマン氏が50億ドル分のBTCを受け取る場合、遺産税として20億ドルを支払う必要がある。このため、もしクレイマン氏が現金で20億ドル持っていなければ、BTCを売る必要があるという。
「人生最悪の日か?」と聞かれたライト氏は、次のように答えた。
「人生最悪の日ではない。私の祖父が亡くなった。そっちの方が悪かった。これはただのお金だ。デイブが死んだ。そっちの日が私にとって最悪だった。私は友達とパートナーを失ったんだ」
一方でライト氏は、同氏が率いるビットコインSV(BSV)には全く影響がないとし、「ごめんねBTC」と発言。売り圧力が嫌ならば「イラを説得しなければならない」と述べた。
サトシ・ナカモトとはパートナシップだった?
ライト氏は、同インタビューで、判事がサトシ・ナカモトとはパートナーシップだったと判断したと主張。自分がビットコイン創設者のサトシ・ナカモトであり、デイブもそのパートナーシップに含まれていたと話した。
また、ライト氏に近いコインギークの創業者カルビン・エヤー氏もツイートで、次のように判決を解釈した。
「裁判官は、クレイグとデイブがサトシだと判断した。正しくないが、クレイグがサトシと正しく認識されるためには十分だろう。クレイグ氏はこのケースは控訴されるだろうと言っている」
ただ、起業家のアリスター・ミルン氏は、誤った断言と切り捨てている。
「米国の裁判所は、ライト/クレイマンをサトシ・ナカモトと判断していない。他のことを言っている人は、正気を失っているか、嘘つきだ」