ビットコイン(BTC)価格は、11,000ドルのレジスタンスを下回ったままで今週を終えようとしているが、今週に起こった様々な事件を考えると、相場がはるかに悪化していた可能性もあっただろう。

Cryptocurrency daily market performance snapshot

 出典: Coin360

仮想通貨(暗号資産)取引所KuCoinでっは1億5000万ドル以上の仮想通貨流出が発生した。また米商品先物取引委員会(CFTC)がビットメックスに対して法的措置を発表した。だがビットコインの価格はわずかに下落しただけだった。

さらに米国のトランプ大統領がコロナウィルスに感染したことを発表。米株式指数のダウとS&P500先物は大幅に下落したが、ビットコインは暴落することを回避している。

過去には、こういったイベントが1つだけあったとしても、ビットコイン価格は少なくとも10%は下落し、アルトコインはさらに悲惨な結果となっていただろう。

コインテレグラフへの寄稿者であるマルセル・ペックマン氏は、ネガティブなニュースが相次ぐなかでもビットコインがレジリエンス(回復力)を発揮していることは、プロおよび個人投資家がビットコインに対して強気であり続けることを示すものだと指摘。ペックマン氏は、12,000ドルへの上昇は投資家が予想するよりも早く再開するのではないかとみている。

BTC/USDT daily chart

BTC/USDT デイリーチャート. 出典: TradingView

先週の場合と同様、ビットコインは対称トライアングル内での値動きが続いており、価格は10,500ドルを超えている。

日足チャートの可視範囲出来高(VPVR)は、ビットコインが11,400ドルから9,950ドルに下落した9月3日のローソク足の部分が大きなギャップとなっており、この時の急落以降、BTC価格はこのレンジ内に固定されている。

一番のニュースはBTC価格が持ち堪えたこと

ビットコインの現在のレンジについて、5月25日から7月20日までを振り返ると、BTC価格は同様に対称トライアングルで圧縮された後に36%の強力な上昇をみせ、2020年の最高値である12,480ドルを付けた。

トレーダーは、現在の相場を監視し、同様のシナリオが作成されているかどうかを確認する必要があるだろう。以前の分析で述べたように、10,380ドルを超えると、BTC価格は対称トライアングルで保たれるが、このレベルを下回れば、10,200ドルから9,800ドルのレンジで買い手の関心を集めることになるかもしれない。

強気のブレイクアウトが発生した場合でも、ビットコインは11,000ドルから11,400ドルまで複数のレジスタンスを突破する必要があるため、直上のレジスタンスを乗り越えるには、強い上昇が必要になるだろう。

一般的に何もニュースがないことがグッドニュースであり、価格行動的にはビットコインは過去1週間でニュースに値することは何もしていない。

実際に、ビットコインについての驚くべきニュースは、過去であれば価格が暴落したようなイベントがあったとしても、価格が暴落しなかったことだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン