仮想通貨に友好的な立場で知られるトム・エマー米共和党院内幹事は、米国証券取引委員会(SEC)の委員長ゲーリー・ゲンスラー氏を「不誠実な監督者」として非難した。米仮想通貨ジャーナリストのローラ・シン記者がホストを務める「アンチェインド」ポッドキャストに出演し語った。

エマー議員によるとゲンスラー氏は「本当に悪質な行為者を見逃しながら、仮想通貨コミュニティを盲目的に取締っている」と辛らつだ。

「本当に悪質な行為者」というのは巨額詐欺事件が明るみになり破綻した米仮想通貨取引所FTXのことを指しているようだ。

一方盲目的な取締まりの例は、SECのコインベースに対する締め付けだという。コインベースは今年3月にSECから法的措置を予告する通知を受ける前、ステーキング製品などについて規制当局と連携しコンプライアンス上のフィードバックを求めていた。

ところが「ゲンスラーはフィードバックを提供することを拒否し<中略>コインベースがフィードバックを求めていた問題に関してウェルズ通知(法的措置を予告する文書)を出した」。

ちなみにゲンスラー氏は2021年4月にSECのトップに就任して以来「オープンドアポリシー」を採用し、仮想通貨企業が証券法を遵守するために随時SECに登録するよう呼びかけている。これはビットコイン(BTC)を除くほぼすべての仮想通貨が証券として分類され、SECが規制すべきだという見解による。

現在米仮想通貨コミュニティが懸念しているのは、SECおよび米国政府からの「取締りによる規制」のアプローチである。

これまでもコインベースのブライアン・アームストロングCEOやクラーケンのジェシー・パウエル元CEOもSECとの対話は容易でないとコメントしてきた。

エマー議員はこの問題に対処するため、今後も監督当局との協議を続けるつもりだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン