分散型金融(DeFi)のコンパウンド(Compound)プロトコルは、オープン価格フィードを導入する。この分散型オラクルの仮想通貨(暗号資産)市場価格は、コンパウンドのレンディングシステムで機能することになる。

オープン価格フィードは現在、様々なネットワークでテストされている。イーサリアム(ETH)のKovanやRopstenといったテストネットで約2週間動作し、その価格フィードはメインネットで10日間にわたって価格を掲載している。Ropstenでは、8月6日に新しい価格フィードを使用する提案がロックされた。

コンパウンドの開発者は、新しいシステムをできるだけ早くプロトコルに統合するため、新しいシステムをテストするようコミュニティに呼びかけている。新しい機能が統合されるたびにシステムは継続的に監査されている。

このシステムは価格報告者と投稿者に依存している。価格報告者は取引所であり、最初はコインペースプロのみとなっており、定期的に価格データを公開鍵で署名する。一方、投稿者は、この署名されたデータをブロックチェーンに公開する責任を持つ。投稿者は特に許可が必要ではなく、つまり必要に応じて誰でも投稿者になることができる。

コインベースプロに加えて、システムはフォールバックとしてチェーン上のUniswap V2の価格フィードも使用している。アンカー価格と呼ばれ、ほかの取引所からの入力の健全性チェックとして機能する。報告されている価格がUniswap価格の30~60分の時間加重平均から20%以上逸脱している場合、オフチェーンデータは無視されることになる。

時間加重平均は、Uniswapに対する潜在的な攻撃、特にフラッシュローンを含む攻撃から保護するために必要だという。

ほかの価格データプロバイダーは、COMPトークン所有者によるガバナンスを介してオンボーディングされることが期待されている。また、しばらくして十分な価格データ報告者が作成された後には、Uniswapのフォールバックの使用を停止する可能性もある。

今年6月、コンパウンドはそのプロトコルトークンを開始した。これにより、トークン所有者はプロトコルの意思決定に参加できるようになった。トークンの50%は流動性マイニングインセンティブを通じて、プロトコルのユーザーに配布されるように設定されている。残りはコンパウンドの投資家とチームに割り当てられている。

この配布を通じて、プロトコルはCompound Labs, Inc.によって運用されなくなった。分散型オラクルの導入は、コンパウンドの創設チームへの依存を減らすための追加の手段となるだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン