分散型金融(DeFi)のコンパウンド・ファイナンス(Compound Finance)の創設者であるロバート・レシュナー氏は、中央集権型金融(CeFi)がDeFiを採用し始めていると主張している。

タイのバンコクで開催された「REDeFiNE TOMORROW」で、レシュナー氏は、CeFi/DeFiの統合、イーサリアム問題、分散型ガバナンスのメリットなどについて語った。

DeFiと従来からのCeFiとの統合について質問されると、レシュナー氏は、この2つの境界線があいまいとなり、集権化された金融やビジネスがユーザーエクスペリエンスを改善したり、バックエンドを強化するために、DeFiを使用し始めると語った。

しかし、レシュナー氏は、ほとんどのDeFiプロジェクトが構築されているイーサリアムネットワークは、もはやそのミッションを果たせない可能性があるとも警告した。レシュナー氏によると、イーサリアムは高い構成可能性を備えていたが、使用するにはコストや時間がかかり、限界に達しているという。その結果として、少額のトランザクションや小規模なユーザーが使うことはもはや経済的に実行不可能となっていると、レシュナー氏は述べている。

コンパウドが運営するような分散型ガバナンスの長所と短所について質問されると、レシュナー氏は2つの明確な長所があると主張した。単一の主体が悪意を持ってプロトコルを台無しにすることができず、そして誰もがプロトコルのアップグレードに貢献できることだと述べている。

しかし、マイナス面については、ガバナンスの決定や変更に時間がかかることもあると述べ、プロトコルの進化はゆっくりとしたものになるかもしれないとも語った。レシュナー氏は、ビットコインが予測可能で進化が遅いと指摘しつつ、それでもビットコインが成功しているとも述べている。

レシュナー氏は、コンパウンドのプラットフォームでさらに「現実世界」のトークンを追加する計画であるとも語った。現在の基準は、資産がある程度の流動性を備えたイーサリアムベースのファンジブルな資産である必要があるという。レシュナー氏は、現実世界の資産がトークン化されることで、追加される資産はさらに増えるだろうと述べた。

「時間の経過とともに、イーサリアムのブロックチェーンがメインストリームになるにつれて、より多くの現実世界の資産が追加されるだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン