仮想通貨取引所大手のコインベースは、2022年第2四半期に11億ドルという驚異的な純損失を出した。その理由として、仮想通貨市場の「猛烈な勢いでの」低迷を挙げており、取引量や取引収入も激減していることが明らかになった。

これはコインベースにとって2四半期連続の赤字で、2021年4月にナスダックに上場して以来、最大の赤字となった。

アナリストの予想も下回ったこの結果は、8月9日にコインベースが発表した「2022年第2四半期株主レター」で共有され、次のように述べられている。

「今回の低迷は猛烈な勢いでやってきたが、顧客の行動は過去の低迷市場と同じように見える」

コインベースは第2四半期には取引量が前四半期比30%減、取引収入が35%減と、「厳しい四半期」だったという。

「どちらの指標も、マクロ経済と仮想通貨のクレジットファクターによって引き起こされ、、顧客と市場の活動の変化に影響された」と書いている。

モーニングスターの株式アナリストのマイケル・ミラー氏は、取引収入の減少にもかかわらず「コインベースはそのプラットフォームからのユーザーの大量流出を見なかったが[...]、そのユーザーは仮想通貨投資においてより受動的になっている」とロイターに語っている。

コインベースの収益は8億260万ドルだったが、前四半期から45.1%減、前年同期から153.1%減という驚異的な減少となった。11億ドルに達したその純損失は、主に第2四半期の仮想通貨価格の下落によって引き起こされた4億4600万ドルの非現金減損費用によるものだ。

しかし、コインベースは、経済的な落ち込みにもかかわらず、変動する市場環境に適応するために最善を尽くしているとも書いている。

コインベースは、経費削減と利益率向上のため、6月に従業員を18%削減し、商品開発についても「一時停止、維持、優先順位付け」のアプローチをとっている。

「全体として、今回の措置による財務上の影響を十分に認識するには時間がかかると思われるが、技術開発費と一般管理費の通期費用の見通しを引き下げた」

優先順位の高い商品としては、コインベースの個人投資向けアプリ、コインベースプライム、ステーキング、コインベースクラウド、Web3アプリケーションなどが含まれるという。

しかし、ミラー氏は「この削減によって、現在の収益レベルでは収益性を回復させることはできないだろう」と指摘し ている。

今後の見通しとして、コインベースは、第2四半期からの仮想通貨市況が2022年第3四半期まで続くと予想している。同社は、総取引量とユーザー1人当たりの平均取引収益がさらに減少すると予想しているが、サブスクリプションとサービス料による収益の増加が見られるかもしれないと述べている。

コインベースの株価は、第2四半期決算の発表を受けて火曜日に10.55%下、記事執筆時点では87.68ドルとなっている。