仮想通貨取引所コインベースは、AIと仮想通貨ウォレットを組み合わせたプロジェクトに対し、5件に3000ドルずつの計15000ドルを授与する人工知能アクセラレーター助成プログラムを開始した。コインベースのCEOであるブライアン・アームストロング氏によると、OpenAIのChatGPTやAnthropicのClaudeといった大規模言語モデル(LLM)は、適切に装備されれば金融関連のタスクを遂行できるという。

「LLMは仮想通貨ウォレットを持つべきだ。AIエージェントが仕事をこなし、経済に参加できるようにしよう」
経済的に強化されたAI
コインベースのエンジニアリングリードであるユガ・コーラーは、8月12日にX上で「AIウォレット」機能のデモを公開した。このデモでは、画像認識モデルをトレーニングするために人々がフィードバックセッションに参加し、その報酬を受け取るというシナリオが示されている。
システムは、コーラー氏に3つの画像から「最も良いと思う」ものを選ぶよう促す。彼が選択を完了し、AIのトレーニングタスクを達成すると、モデルが彼の仮想通貨ウォレットに直接支払いを送信することができる。
このシナリオは、AmazonのMechanical Turk(簡単なオンラインタスクを完了することで報酬を得るプラットフォーム)を思い起こさせる。しかし、AIシステムにウォレット取引を行う能力を持たせることには、他にもさまざまな用途が考えられる。
開発者向けインセンティブ
コインベースの開発者プラットフォームは、これらの用途を探るために15,000ドルのアクセラレータープログラムを発表した。コインベースのウェブサイトによると、同社はCoinbaseのマルチパーティ計算ウォレットに接続できるLLM(大規模言語モデル)を使用して有用な「ボット」を開発することを奨励している。
コインベースによれば、この助成金はAIがもたらす経済的なアプリケーションを試すためのものである。
「AIエージェントが自動支払いを送受信するための銀行口座を取得できないことが、AIを使った有用なアプリケーション開発の大きな障害となっている。オンチェーンでの対応がこれを解決する。」
この助成金に応募を希望する開発者は、9月5日までに申請を提出する必要がある。