分散型金融(DeFi)リサーチャーのzachxbt氏が27日、クアドリガCX(QuadrigaCX)の共同設立者マイケル・パトリン氏が、DeFiプロトコルであるワンダーランド(Wonderland)共同創業者の0xSifu氏であると公開した。

ワンダーランドとアブラカダブラ(Abracadabra)の創設者であるダニエル・セスタ氏とzachxbtの間のプライベートメッセージのやりとりでこれが発覚。やりとりの公開後、セスタ氏はこの件に関する自身の見解をツイートし、「私は0xSifuについて偏見を持たない。彼は友人となり私の家族の一部となった。私の評判が彼を晒すことによって打撃を受けるなら、それはそれで仕方がない」と述べた。

セスタ氏が最近書いたMirror.xyzのブログでは、0xSifuの経歴を知ったのはちょうど1ヶ月前。正体発覚後も財務部長としての役割を維持することに決めたことが明らかにされている。

しかし、今朝、彼のツイートに対する世論の反発を受け、セスタ氏はこの状況を振り返り、次のように結論づけた。

「私は、彼の信任投票が行われるまで、彼の役職を解く必要があると判断した。ワンダーランドでは、その財源を管理する人に発言権があり、私やワンダーランドの他のチームにはないからだ」

信任投票は29日に終了する。

ワンダーランドは2020年9月、Olympus DAOのフォークとして始まり、アバランチネットワーク上でローンチした。ワンダーランドコミュニティのユーザーは自らを「カエル」と表記している。今のところ市場で大きな飛躍は遂げていないようだ。

現在のデータによると、同プロトコルのトータル・バリュー・ロックド(TVL)は3億6000万ドルで、ネイティブアセットのTIMEは2カ月前に記録した史上最高値から97.5%近く下落し、27日には30%下落して355ドルになった。

先週、創設者たちは、価格下落を食い止めようと必死でプロジェクトに数百万ドルを注入する量的緩和型の戦略で介入してきた。

QuadrigaCXの問題は、2018年12月にカナダに拠点を置く仮想通貨取引所の共同創設者であるジェラルド・コッテン氏が早すぎる死を遂げたことから始まった。その後の数日間で、チームはコッテン氏のみが保有していたコールドストレージのパスワードが見つからないことを理由に、1億4500万ドルを超える顧客の資金が紛失したという疑惑が浮上した。

その後、推定2万人の請求者と取引所の間で継続的な法廷闘争が始まり、管財人のアーンスト&ヤングは2020年末、1億7100万ドル相当の請求に対し、分配できる資産は約2980万ドルしかないと明らかにした。

この話はストリーミング配信・制作大手ネットフリックスの関心を呼び、先日、コッテン氏の死とその後の金銭的損失をめぐる謎をドラマ化したドキュメンタリー映画の制作が発表された。

「Trust No One: The Hunt for the Crypto King」と題されたこの映画は、2022年内に公開される予定だ。