ブロックチェーン技術の利用を検討している世界トップクラスの多国籍銀行の1つ、シティバンクが、公式にオンラインやアプリ内、またはストア内での決済が可能なデジタル・ウォレットの提供を開始したと発表した。

Citi Payがローンチされたことで、PayPalやApple Pay、Samsung Payなどがリードするモバイルウォレット市場にシティバンクが参入することになる。

同ウォレットサービスは、まずはシンガポール、オーストラリア、そしてメキシコでリリースされ、タップ&ペイ機能を実装し、現在のカード事業拡大のために順々に全世界でリリースされてることが予定されている。

今年の初め、シティバンクは、提携しているサービスを利用する消費者に対して、Early Warningのモバイルやオンライン上でリアルタイムP2P決済が利用可能な、clearXchangeのネットワークに参加している。また、サービス利用者であれば、シンガポールとオーストラリアでSamsung Payを利用することも可能だ。

 

シティバンクとブロックチェーン

 

国をまたいで19カ国に1億人以上の利用者を抱えるシティバンクは、ブロックチェーン技術のコンセプトを銀行のインフラとして歓迎するとの姿勢を示している。

シティバンクは、6月に発行された米国デジタル・バンキングのレポート―”ビットコイン・ブロックチェーンは決済業界を破壊するのか?” ―の中で、仮に脅威となった場合、経済における銀行の役割を如何にして脅かすのかについて説明している―つまり、分散型元帳に基づいた決済システムには、”全く新しいモデルを作る可能性”が秘められているということが示されており、ビットコインを支える技術が他のイノベーションと組み合わさることで、”根本的に”金融セクターを変えてしまうかもしれないという可能性が秘められている一方で、実際にそうなることを考慮しなければならないと結論付けられている。

シティバンクは、Chainのようなブロックチェーン・スタートアップと連携した上で、ブロックチェーン・ネットワークの開発にも携わっているようだ。

しかしながら、中央集権化された伝統的な決済システムに対しては、継続的な保守的立場を取ったままだ。