過去一週間にわたって楽観的な価格上昇を維持していたビットコインは、中国政府により、その取扱いの潜在的リスクにおける警告と公式発表が出された後、過去24時間で21%も大きくその価格を落とした。
1月5日、中国人民銀行 (PBOC) は、中国政府はビットコインを通貨として認めていないとする、依然から繰り返し強調してきたビットコインに対するスタンスを改めて発表している。しかしながら、中国人民銀行は、ビットコインはあくまで仮想通貨、または仮想”商品”であるとし、合法的に国内での取引や利用は可能であるとの見解を見せている。
国内の地元当局は、BTCC、Huobi、OKCoinを含む大手ビットコイン取引所と会談し、規制の枠組みや、国内のビットコイン・スタートアップに対して適応される政策などの詳しい状況について話し合いを行った。中国人民銀行は、その会談の中で取引所3社に対し、中国の規制および政策に準拠した運営を引き続き維持するよう要請を行っただけだったことがわかっている。
本質的には、中国政府と中国人民銀行は、国民に対し合理的な警告と声明を発表しただけであり、基本的には、中国人民銀行や中国国内のいかなる政府機関も、ビットコインの持つ潜在的なリスクに対して一切責任を負わないとするその必然性を明らかにしただけだったようだ。
中国人民銀行は以下のように説明している―
「ビットコインは特定仮想商品であり、通貨と同等の法的価値は有していない。市場の流通においてお金として使うことは出来ず、また使用するべきではない。ビットコインによる投資など、参加する機関や個人は、慎重に投資活動に参加する必要があり、それに伴う責任とリスクを負う必要がある」
声明における実際の意図とは無関係に、ビットコインの急激な価格上昇を懸念したことによる中国政府の規制であると、一部のメディアや公人が大げさに中国政府の発表内容を取り上げている。
中国政府と中国人民銀行は、国民に対して政府は一切ビットコインの利用に対して責任を負わないとの理解を求めて公式発表を行っているが、一部の曲解したメディアが、国内でビットコイン取引の取り締まりが行われる可能性など、誤ったプロパガンダや噂を流布しているようだ。
実際に、中国人民銀行とディスカッションを行った大手ビットコイン取引所、BTCCは次のように述べている―
「BTCCは普段から中国人民銀行と会談を持ち、中国国内の法律および規制に準拠した形で運営を行えるよう、密に連携を図っています。今日、中国人民銀行から出されたプレスリリースでは、ビットコイン取引には大きな価格変動性があることが明文化されており、2013年にリリースされた内容を引用し、ビットコインは仮想商品であり、法定通貨としての地位は有していないことが記載されています。不安定な市場における取引にまつわるリスクや、仮想商品における現在の国のポリシーを、全てのユーザーが認識する必要があります」
中国のビットコイン取引市場やビットコイン業界全体におけるこうした誤った推測によって、ビットコインの価格は急落し、一晩で1,010ドルから876ドルまでの記録的な大幅な価格下落へと繋がったと見られる。
中国政府がビットコイン取引を禁止すると何が起きるのか
中国政府によるビットコインに対する警告により、たった24時間以内で21%の価格下落に繋がったとするならば、ビットコイン取引を禁止するという必然的な行動により、ビットコインの価格下落に拍車がかかることは必至であり、2013年のように、短期間でその価格を大きく下げる可能性は高い。
投資家やトレーダーたちは、ビットコインをグローバルな且つ分散的に価値を保存する方法として利用することによって得られるアドバンテージは、単一の機関やグループがネットワークのシャットダウンや規制を行うことによってもたらされるものではないと、しっかり理解することが必要だと、ビットコインとセキュリティの専門家、アンドレアス・アントノポウロス氏は語っている―
「問題はビットコインが規制されるべきか否かではなく、ビットコインが規制”できるか”どうかななのです。現実としての答えは”ノー”です。他は眉唾です」