仮想通貨(暗号資産)テゾス(XTZ)開発に携わる2つのチーム、SmartPyとCryptonomicが、チェーンリンク(LINK)のオラクルをテゾスのネットワーク上で利用できるように取り組んでいる

オラクルとは、DeFiなど各種スマートコントラクトに対して、為替レート・株式・財務データ・スポーツのスコア情報・ID情報といった実世界情報を提供する分散型データ管理システムを指す。

このほど、2つのチームは、テゾス財団からチェーンリンクのオラクルをテゾスのスマートコントラクトに統合するための助成金を付け取った。Cryptonomicの共同創業者であるVishakhは、テゾスエコシステム内の重要なミッシングリンクを埋めることになると、コインテレグラフに語っている。

「弊社のコアチームのほとんどは、数年にわたってファイナンス、特にデリバティブファイナンスに携わってきた。私たちは金融取引を処理するミッションクリティカルなシステムに取り組んでいる。そのため、オンチェーンガバナンスと正式な検証があるテゾスに非常に魅力に感じている。しかし、パズルの欠けたピースが1つ存在している。テゾスのDeFi(分散型金融)アプリケーションを構築するために必要な外部からのインプットだ」

分散型金融の要となるオラクル

チェインリンクのCEOであるセルゲイ・ナザロフ氏も同様の意見だ。同氏はコインテレグラフに対して、分散型金融(DeFi)の領域において弾力性のあるデータフィードの重要性を指摘している。

「それ多くのDeFiに使われることにあるだろう。たとえば分散型保険などだろう。しかし、私が言えることととしては、テゾスでDeFiを使用することに多くの関心がある。そして、優れたオラクルメカニズムを持つことは、基本的に、適切に機能するDeFiアプリケーションを持つための前提条件だ。そして、オラクルのメカニズムを構築することは、ブロックチェーンを構築することと類似しているということに人々は気づき始めていると思う」

ナザロフ氏は、2つの仮想通貨ユニコーンの統合はほかのプロジェクトにも利益をもたらすと述べている。

「統合でアクセスできる市場シェアが増え、データプロバイダーがデータをオンチェーンにできるようになることがネットワークの効果だ。また複数のチェーンで利用できれば、データプロバイダーはより多くの市場にデータを提供できるようになるため、チェーンを追加するたびに他のすべてのチェーンに利益をもたらすだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン