ツイッター創設者ジャック・ドーシー氏がCEOを務めるフィンテック企業ブロックは、同社の主力製品であるキャッシュアップ(Cash App)で2023年第1四半期にビットコイン(BTC)収益が21億6,000万ドルに達したと報告した。

2023年第1四半期の決算に関する株主向けレターによると、ブロックは、ビットコイン収益(顧客への仮想通貨総販売額)が、2022年第4四半期の183億ドルから18%増の21億6,000万ドルとなった。2022年第1四半期からは25%増加した。

23年第1四半期のキャッシュアップの総利益は9億3100万ドルを超え、前年同期比で49%の増加を記録した。特筆すべきは、キャッシュアップの利益が、同社の総利益である17億1,000万ドルに比べて見劣りしていることだ。ブロックは、人気のあるビジネス決済サービスであるスクエアも所有しており、スクエアの利益は前四半期比でわずかに3.8%減少しただけという。

株主向けレターによれば、ビットコイン収益は「顧客に販売されるビットコインの数量の増加」によってもたらされ、「2022年の同時期と比較してビットコインの市場価格の減少」によって「部分的に相殺された」という。

ブロックはまた、1株あたりの利益が40セントで、アナリストの予想である35セントを14%上回るとともに、第1四半期の収益が前年同期比で26%増加したと報告している。

決算報告会で投資家に語ったブロックのジャック・ドーシーCEOは、人工知能と「オープンプロトコル」が世界的な金融システムの「大きな変化」に積極的に対応するための技術であると強調した。

株式市場はブロックの決算を好意的に受け止めた。フィンテック企業の株価は、取引後の時間帯に一時的に5%上昇して63.50ドルに達した後、記事執筆時点で2.5%の上昇に落ち着いた。

この上昇は、ブロックの株価が継続的な下落から一時的に回復するのにつながった。ブロックの株価は、有名な空売り企業ヒンデンブルグリサーチがブロックに対して厳しいレポートを公表したことを受け、25%の下落を経験していた。ヒンデンブルクは3月に「ブロックは、自社が助けると主張している人々を利用している」と非難し、「キャッシュアップでの成功は、消費者や政府に対する詐欺を容認する意欲にかかっている」と指摘していた。

「ヒンデンブルクは、この種の攻撃で知られており、株価の下落から空売り屋が利益を得ることだけを目的としている」と、ブロック側は反論している。「当社は、自社のデータとの関連で報告書全体を検討し、それが投資家を欺くことと混乱させることを目的としていると考えている」と付け食わている。