7月29日、仮想通貨カルダノ(ADA)が大型アップグレードをしてハードフォークを通じて「シェリー」を実装する。カルダノのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)プロトコルの誕生への一歩であり、市場関係者の期待は高まっている。
カルダノによると、カルダノのブロックチェーンは29日のハードフォーク中も通常通りの運用が見込まれている。シェリーがメインネットで実装されれば、「ステークプールやデリゲーション、報酬といった機能を導入することが可能」であり「カルダノの分散化時代の新たなページを開くことになる」と述べた。
また、カルダノ創設者のチャールズ・ホスキンソン氏は、メインネット立ち上げから1年後の2021年には数千の分散型アプリ(Dapps)と多くのプロジェクトが見られるだろうと予想した。
執筆時点までの過去24時間でカルダノの価格は7%超上昇している。
(出典:Coin360「カルダノ/米ドル(1日)」)
「イーサリアムキラー」とも呼ばれるカルダノは、PoSへの期待から最近勢いがあるプロジェクトだ。奇しくもシェリー立ち上げは、イーサリアム5周年記念日の前日。イーサリアム共同創設者としても知られるホスキンソン氏は、イーサリアム開発スピードでの苦戦はビジネス経験の不足しているヴィタリック・ブテリン氏への依存体制であると話していた。
「基本的にイーサリアムの動きはヴィタリックのスピードと同じになる。もし彼が何かについてうまくやる方法を知っていれば、彼らは対処できる。だがもし研究について話したり実際にマーケットにプロダクトを送ることについて話すならば、経験が必要になるだろう」
仮想通貨カルダノ まだ上昇?
シェリーメインネット立ち上げ後もカルダノ価格はまだ上昇するという見方も出ている。
ブロックチェーン分析企業メサーリのライアン・セルキス氏は、最初のステーキング率はローンチまで明らかにならないものの、カルダノのテストネットではステーキング率が最大40%だったことが見込めると指摘。既にステーキングで成功しているテゾスの80%やコスモスの71%を大きく下回るため、逆にカルダノには成長余地があると述べた。
「低いステーキング率と高い報酬はしばしば連動する。このため、新たなユーザーを呼び込みやすく、ADAがもっと買われてステークされることになる」
最初のステーキング報酬は8月18日に分配される。
またカルダノを巡っては、米仮想通貨取引所コインベースへの上場への期待感もある。カルダノは7月3日、コインベースのカストディ (資産管理)サービス利用で合意したと発表。
カルダノの開発企業であるIOHKは、コインベースにカルダノが上場可能性について、コインテレグラフに以下のような声明を出した。
「取引所とカルダノの統合プロセスを円滑にする新たなライブラリとAPIを備えたアドレストリア(Adrestria)のリリースとともに、我々は複数の取引所と緊密に連携している。2020年末までにより多くの発表を期待できるだろう」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン