ブラックロックのトークン化マネーマーケットファンドが、時価総額20億ドルに迫る中、ソラナ・ブロックチェーンへも拡大した。

3月25日、現実世界資産(RWA)のトークン化プラットフォーム「セキュリタイズ」の創業者兼CEOであるカルロス・ドミンゴ氏が、ブラックロックの「USDインスティテューショナル・デジタル・リクイディティ・ファンド(BUIDL)」のソラナ対応を歓迎するX投稿を行った

BUIDLは2024年3月、ブラックロックとセキュリタイズによってローンチされたフォーチュンの報道によると、セキュリタイズのCOOであるマイケル・ソネンシャイン氏は、「従来のマネーマーケットが持つ退屈さを取り除くこと」を目的のひとつに掲げていると述べた。同氏は、伝統的なマネーマーケットの仕組みに存在する非効率性を改善していく姿勢を強調した。

BUIDLの時価総額は17億ドルに到達

RWAデータプラットフォーム「rwa.xyz」によれば、ブラックロックとセキュリタイズが手がけるBUIDLは、トークン化米国債カテゴリーにおいて時価総額で首位に立っている。データによると、BUIDLの時価総額は17億ドルに達し、同市場におけるシェアは約34%に上る。

Source: RWA.xyz

この分野では、BUIDLに続いてハッシュノート、フランクリン・テンプルトン、オンドUSDYなどが続いている。

BUIDLは2024年7月には時価総額5億ドルに到達しており、現在の規模はそこから240%増加したことになる。

BUIDLは米ドルと連動し、セキュリタイズとの提携を通じて、日々発生する利息を毎月配当として投資家に支払っている。2024年8月時点で、ファンドは合計700万ドル以上の配当を支払った実績がある

ソラナ展開はマルチチェーン戦略の一環

ソラナへの拡大は、BUIDLが複数のチェーンに展開するマルチチェーン戦略の一環だ。

2023年11月13日には、当初イーサリアムネットワークでローンチされたBUIDLが、アプトス、アービトラム、アバランチ、オプティミズム、ポリゴンにも対応を拡大していた。このマルチチェーン展開は、新たな投資家層の呼び込みを狙った動きと見られている。

一方、トークン化米国債の分野では依然としてイーサリアムの存在感が際立っている。rwa.xyzのデータによれば、イーサリアムベースの米国債商品は、総時価総額36億ドルを占めており、市場全体の72%を支配している。

ブロックチェーン別のトークン化債券 Source: RWA.xyz