オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究員が、量子コンピューティングにおける課題である安定性の問題を解決する半導体チップ設計を発表した。
「月面着陸」並みの大事件であるとされる量子コンピューティングの実装につながる新たなCMOSチップ構造は、既存の集積回路上でシリコン・トランジスタのグリッドを作り「スピン量子ビット」を制御するという。
論文の執筆者であるメノ・ヴェルドースト氏によると、「量子ビットの上にある電極を選択して量子ビットのスピン(回転)を制御する。また、量子ビットの間に位置する電極を選ぶことで、二つの量子ビット間のロジックの相互作用や計算を行うことができる」。
米カーネギーメロン大学の研究院によると、量子コンピューティングは理論的にはブロックチェーンの暗号化メカニズムを突破できる可能性があり、ブロックチェーンや仮想通貨のセキュリティに大きなリスク懸念をもたらす。
一方で、量子コンピューティングの実用化にはまだ時間がかかるとされており、その間にブロックチェーンや仮想通貨の開発者たちも暗号技術をさらに進化させることも考えらえる。