イーサリアムの「デンクン(Dencun)」アップグレードが3月に実施されたが、その結果、レイヤー2ネットワークでのトランザクション失敗が増加したと指摘されている。
8月22日、ギャラクシーのリサーチャーであるクリスティン・キム氏が、3月中旬のイーサリアム「デンクン」アップグレード後のデータブロブの影響についてXで言及した。
キム氏は8月21日に発表された仮想通貨投資会社ギャラクシーの詳細な分析「デンクン後150日」を引用し、アップグレード後にトランザクション失敗とボット活動が大幅に増加したと指摘した。分析によれば、EIP-4844のアクティベーション後、イーサリアムのL2での平均日次トランザクション活動は150日間で665万件以上に倍増したという。
しかしトランザクションの増加は失敗率の上昇も招いた。キム氏は、失敗の多くは低料金のL2によるボット活動が原因だと指摘している。「失敗したトランザクションの大部分は高アクティビティアドレス、つまりボットによるものだ。L2の低料金がボット活動を増加させている可能性がある」という。
調査によると、Baseの失敗率は21%、アービトラムは15.4%、OPメインネットは10.4%に達した。
Layer-2 transaction failure rate since December 2023. Source: Galaxy
ギャラクシーのデータによれば、1日100回以上のトランザクションを試みる高アクティビティアドレスでは、Baseで41.6%、アービトラムで20.87%、OPメインネットで12.85%の失敗率が見られた。
一方、1日5回以下のトランザクションを行う低アクティビティアドレスでは、調査したすべてのネットワークで最大4%の失敗率にとどまったという。
イーサリアムのレイヤー2だけでなく、他のネットワークでも高い失敗率が見られる。8月13日に発表されたレイヤー2に関する研究では、コインベースがソラナも高いトランザクション失敗率を持つと報告している。「ソラナの非投票トランザクション手数料のうち、25%から45%が失敗したトランザクションに費やされている」と報告している。
ただDeFi Reportの創設者マイケル・ナドー氏は、ボット活動がスパムであるという見解に異議を唱え、8月9日のXの投稿で「ボットは流動性を生み出し、市場に効率性をもたらす。パブリックブロックチェーン上では手数料を支払っている」と主張している。
3月13日のイーサリアムアップグレードは、EIP-4844を通じてデータブロブ(プロトダンクシャーディング)を導入し、ロールアップデータの一時的なデータ保存スペースを提供し、実行レイヤーの負担を軽減した。