BNBチェーン上の複数のミームコインが木曜日に30%超下落した。週の前半に大幅上昇していたが、BNBトークン自体が過去最大となる1日で100ドルの値下がりを記録し、執筆時点で1246ドルまで落ち込んだことが引き金となった。BNBチェーンのミームコインブームは終わりを迎えたのか──そして、その兆候は崩壊前から現れていたのだろうか。
今回下落したミームコインの多くは時価総額が5000万ドル未満だったが、下落局面の中でもPALU、GIGGLE、4、バイナンス・ライフ(币安人生)といった銘柄が注目を集めた。
一部のアナリストは、バイナンスが木曜日に新たなプラットフォーム「ミームラッシュ」を発表したことが投資家心理の転換点になったと指摘している。ミームラッシュはフォー・ミームとの提携によるプロジェクトで、バイナンスウォレット利用者限定で提供される。
同プラットフォームでは完全希薄化後評価額が100万ドルに達すると分散型取引所(DEX)に上場するほか、バイナンス・アルファでの提供も検討されている。これにより、バイナンスの全ユーザーが新トークンにアクセスできるようになる見通しだ。
バイナンス側は、本人確認(KYC)要件やフェアローンチ(公平な初期販売)メカニズムを導入することで、取引高偽装を抑制することを目指している。
しかし、一部からは中央集権型取引所の業績指標とはそぐわないとの批判も出ている。
Xユーザーのhenloitsjoyce氏は、「ミームコインのローンチパッドのような投機的な商品は、中央集権取引所のパフォーマンス指標とは整合しない」と指摘。ミームコイン人気の根源はむしろ「規制や監視の欠如」にあるとの見方も示した。とはいえ、多くのトレーダーが新プラットフォームへの資金移動を見越し、既存のBNBチェーンのミームコイン銘柄を手放して利益確定に走ったとみられる。
構造的な脆弱性が下落を拡大
利益確定売りや資金の入れ替えだけでは、わずか数時間で40%近い暴落は説明できない。今回の急落の背景には、上位ウォレットによる過度な集中、低い流動性、そして水増しされた取引高という構造的な脆弱性があったとみられる。
XユーザーのStarPlatinumSOL氏によると、ピーク時には1つのウォレットがPALUの供給量の約39%、バイナンス・ライフの23%、4の14%を保有していたという。また、単一ウォレットが複数トークンにわたり10万ドル以上のバッチ取引を繰り返しており、取引高水増しの可能性が指摘されている。さらに、流動性プールに預けられているトークン量が全供給量の2.5%未満という銘柄もあった。
DEXの多くは伝統的な板方式ではなく、流動性プールを基盤とする自動マーケットメイカー(AMM)で運営されている。この仕組みはBNBチェーン固有の問題ではないが、ロックされているトークン供給量が少ない場合、少額の資金流入でも時価総額が急膨張し、逆に売りが集中すると価格崩壊が一気に進むという特徴がある。
さらに懸念されるのは、XアカウントのBubblemaps氏が指摘した取引のタイミングである。同氏によると、あるウォレットがPALUを10万ドル分購入した数分後に、バイナンス共同創業者のチャンポン・ジャオ氏(通称CZ)がミームコインのロゴを含む画像を投稿したという。この偶然とも思えないタイミングから、仕組まれた取引だったのではないかという疑念も浮上している。
Bubblemaps氏はまた、一部のプロジェクトではインサイダー保有比率が異常に高いことも指摘している。たとえばYEPEでは、インサイダーが供給量の約60%を保有していたという。
BNB自体も火曜日の史上最高値1357ドルから9.5%下落し、ミームコイン市場全体の調整を加速させた。
最終的に、BNBチェーンにおけるミームコイン・シーズンの持続性は、BNBが1300ドル台を回復できるかどうか、そしてバイナンスウォレット上の新ローンチパッド構想が成功するかどうかにかかっている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】