世界の航空会社が加盟する業界団体の国際航空運送協会(IATA)は、新型コロナウイルスの検査結果やワクチンの接種状況を保存するブロックチェーンベースのパスポートを展開する計画を進めている。

海外旅行や現在の世界的な検疫規制が緩和される可能性がある中で、IATAは、「健康」パスポートをアプリとしてスマートフォンに保存し、2月にもテストを開始するという。

ユーザー自身が健康状態を管理するこのパスポートアプリは「IATAトラベルパス」と呼ばれる。アプリは政府や予防接種センター、航空会社と情報を共有する。

すでに4社の航空会社がプログラムに参加することを表明している。シンガポール航空とブリティッシュ・エアウェイズは2月の第一弾テストに参加する予定で、エミレーツ航空とエティハド航空は4月を予定している。

IATAの空港・乗客・安全製品の責任者であるアラン・マレー・ヘイデン氏は、IATAトラベルパスに使用されるブロックチェーンに大きな利点があることを強調した。

「乗客は自分のデータを完全にコントロールできる。中央制御するデータベースはなく、ハッキングされない。乗客は自身のデータを保有し、航空会社に供給する。非常にパワフルでおそらく、ブロックチェーンが人々に利益をもたらすために実装された最初の事例となる」

ヘイデン氏は、IATAトラベルパスによって乗客の健康状態が確認されれば、移動が認められるようになると期待を込める。

「乗客はスマホの中に三つの重要情報を持つことになる。デジタルパスポートとテスト結果、我々が『旅行OK(Okay to travel)』と呼ぶものだ。乗客はアプリにあるデータを共有するかを選択できる。自分のデータを提出するように求められたとき、『提出』ボタンをクリックすることで航空会社に共有される。航空会社はこうして乗客の情報を把握し、搭乗に問題ないことを確認できる」


翻訳・編集 コインテレグラフジャパン