世界最大級のオルタナティブ資産運用会社ブラックストーンが、初の仮想通貨関連投資として、ブラックロックが提供する現物ビットコイン上場投資信託(ETF)の株式を取得したことが明らかになった。
米証券取引委員会(SEC)への5月20日の提出書類によれば、ブラックストーンは2025年3月31日時点で、ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)の株式を2万3094株保有していた。評価額は約108万ドルで、同社が運用する総資産1兆2000億ドルの中ではごくわずかな比率にすぎない。
IBITは、ブラックストーンが運用する「オルタナティブ・マルチストラテジー・ファンド(BTMIX)」に組み込まれており、同ファンドは26億3000万ドル相当の資産を保有している。
提出書類ではさらに、仮想通貨ATM運営会社ビットコイン・デポの株式4300株(取得額6300ドル)、およびプロシェアーズが運用するビットコイン先物ETF(BITO)の株式9889株(取得額18万1166ドル)も購入していたことが記載されている。
過去には仮想通貨に慎重姿勢
「オルタナティブ資産運用会社」としての立場を標榜するブラックストーンだが、これまで仮想通貨分野への投資には慎重だった。
シュワルツマン氏は「通貨というものは、誰かが管理すべきものだという価値観で育ってきた」と語り、仮想通貨そのものには関心が薄いと述べていた。
ブラックストーンは、プライベート・エクイティ、不動産、インフラ、ヘッジファンド、保険ソリューションなど、幅広い分野に投資している。公式ウェブサイトによれば、同社は2025年3月31日時点で370億ドルの投資可能資本を保有している。
ウィスコンシン州年金基金はIBITを売却
一方、米国の公的年金で初めてビットコインにエクスポージャーを持ったウィスコンシン州投資委員会(SWIB)は5月15日、IBITの株式606万351株(評価額37億ドル)を第1四半期に全て売却したことを報告している。
それでもIBITへの資金流入は続いており、ファーサイド・インベスターズのデータによれば、IBITは4月9日以降、6週間連続で純流入が続いている。直近20営業日連続で資金が流入しており、2024年1月のローンチ以来の累計純流入額は461億ドルを超えている。