韓国の仮想通貨取引所大手のビッサムが19日、在宅起訴されたことがわかった。ビッサムのコミュニティサイト「ビッサムカフェ」で同社が明らかにした

ビッサムは2017年4月に同社従業員のパソコンがハッキングされ、個人情報が漏洩。韓国検察はビッサムが個人情報保護措置を怠ったと判断。「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」(情報通信網法)に違反した罪で起訴した。

ビッサムは2017年当時、スタッフのパソコンから顧客情報3万1000件が流出。流出したのは氏名と電話番号、メールアドレスのほか、仮想通貨の取引履歴も含まれている。顧客のIDやパスワードは流出していないという。現地メディアの報道によれば、検察はこの個人情報を利用してハッカーがビッサムに200回以上攻撃し、顧客の仮想通貨70億ウォン(約6億4000万円)を盗んだとみている。

検察は、ビッサムが顧客情報を暗号化せずにスタッフの個人パソコンに保存していたことを問題視。さらにセキュリティ更新プログラムをインストールしていなかった点も違法行為と判断した。

ビッサムは19日に謝罪文書を公表。「顧客の保護を第一に実施し、裁判に誠実に臨む」と表明した。一方で、ビッサムは検察が個人情報の漏洩と、仮想通貨が盗まれたことを同一の事件としていることに対して、「別の事件」と反論。盗んだ情報からはログイン認証ができないことが理由で、攻撃は異なるハッカーによるもので、現在はセキュリティアップデートを続けていると釈明した。

ビッサムは個人情報の流出が原因で被害が発生した場合には損失を補償するとしている。

文・編集 コインテレグラフ日本版