暗号資産交換業者であるビットフライヤーは、2024年2月9日19時より「エルフトークン(ELF Token)」のIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)を実施する。ビットフライヤーがIEOを実施するのは初めてのケースだ。IEOは、企業・プロジェクトが取引所を通じてユーザーにトークンを販売し、資金調達するスキームだ。

エルフトークンはハッシュパレット(HashPalette)が発行するするもので、同社が開発しているWeb3ゲーム「The LAND エルフの森」で使用されるトークンだ。このゲームは農場を運営するファーミング系のゲームとなり、育てた作物をNFTとして販売することもできる。モバイルでの提供となり、ゲームは2月26日からサービスを開始する予定だ。トークンはゲーム内での購入などに使えるほか、ステーキングの仕組も備えていくという。

ビットフライヤーとしては今回が初めてIEOとなる。2月9日からユーザーの申し込み受け付けを開始し、抽選や決済を経て、2月21日から3月末までの間に取引が開始される予定だ。これまで国内でのIEOは4事例あり、ビットフライヤーで5件目となる。

販売されるエルフトークン(ELF)の販売価格は1ELF=12.5円で設定されており、販売総数は計1億ELFとなる。これは総発行数の10%にあたる。トークンはハッシュパレットのブロックチェーンであるパレットチェーン上で発行されたトークンだ。

ハッシュパレットの創業者兼会長の吉田世博氏は、9日の記者会見で「ゲーム大国の日本では、初のゲームトークンのIEOになる」と強調した。「The LAND」はベータテストなどを通じてゲーム性の高さが評価されたており、Web3ゲームにこれまで触れたことのないユーザーにもリーチしたいと抱負を語った。ゲーム内では広告展開も行い、その収益はユーザーに還元する方針。開発会社としては課金やNFT販売から収益を得る形になるという。

同社はWeb3ゲーム大手のアニモカ・ブランズともパートナーシップを結んでおり、海外での上場も視野に入れてグローバル展開にも力を入れる。ゲームの事前登録者の半数もインドやフィリピン、インドネシアなどアジア各国からのものだったとしている。