ビットコイン(BTC)は3月11日に7万6600ドルまで下落し、4カ月ぶりの安値を記録した。しかし、新たなリサーチによると、長期保有者(LTH)の売却圧力が低下しており、市場センチメントの変化を示唆しているという。

オンチェーン分析企業グラスノードは3月18日の市場レポート「長期保有者の活動は依然として抑制されており、売り圧力が顕著に低下している」と指摘した。

長期保有者の動向が強気転換を示唆

ビットコインの回復は、155日以上BTCを保有するウォレット(LTH)が売却を減少させていることと連動している。

バイナリー・スペンディング・インジケーターによると、LTHによる売却割合が減少しており、LTHの保有量も数カ月の低下を経て回復傾向にある。

グラスノードはこの動きを受け、「LTHの売却意欲が低下し、保有を継続する意向が強まっている」と分析した。

「長期保有者の行動が売却から保持へとシフトしている可能性がある」とし、これが市場センチメントの変化を示唆していると指摘した。

BTC: LTH バイナリー・スペンディング・インジケーター Source: Glassnode

強気相場のピークでは、通常、長期保有者による大規模な売却が発生し、利益確定が進むことで弱気相場への転換が起こる。しかし、最近のビットコイン価格の下落にもかかわらず、長期保有者は依然として大部分の利益を保持している。

これは長期保有者がさらなるビットコインンの価格上昇に期待していることを示唆している可能性がある。

Bitcoin: Cumulative LTH realized profit. Source: Glassnode

新たなビットコインクジラの蓄積が市場構造を変化

新たなビットコインのクジラ(1000BTC以上を保有し、平均取得期間が6カ月未満のアドレス)が積極的にBTCを蓄積していることが、クリプトクオントのデータで明らかになった。

これは、新たな大口投資家がビットコインの長期的な成長に確信を持っていることを示している。

クリプトクオントの独立系アナリストOnchained氏は3月7日の分析で、「このウォレット群は2024年11月以降、合計で100万BTC以上を取得しており、市場の主要な影響力を持つ参加者となっている」と指摘した。

さらに、直近数週間では取得ペースが加速しており、「今月だけで20万BTC以上が蓄積された」ことがチャートでも確認できるという。「この継続的な流入は市場の構造変化を示しており、機関投資家や富裕層の参入が増加している可能性が高い」とOnchained氏は述べた。

Bitcoin supply held by new whales. Source: CryptoQuant

複数の仮想通貨関係者は、ビットコインの最近の下落を「正常な調整」と見ており、「市場は新たなテーマを待っており、まだサイクルのピークには達していない」との見方を示している。

しかし、全員がこの見解に賛同しているわけではない。クリプトクオントの創設者兼CEOであるキ・ヨンジュ氏は、ビットコインの強気相場はすでに終了したと主張している。同氏は「今後6〜12カ月間は、弱気もしくは横ばいの価格推移が続くと予想している」と述べている。

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