2020年3月にビットコイン価格が1日で50%ほど暴落したブラックサーズデー時点で、半年後の現在に、仮想通貨(暗号資産)市場が回復すると予想した人はあまり多くはいなかった。むしろ、1000ドルに下落するとの声も出たほどだ。

ただ、そうした中でもビットコインは急速に回復すると主張していたトレーダーもいた。偽名の仮想通貨アナリストCoiner-Yadox氏は3月当初、米株式トレーダーのリチャード・ワイコフ氏のワイコフ理論によるマクロ蓄積パターンが現れていたことを指摘。

これによると、2020年5月から6月にかけて仮想通貨が1万ドルに到達し、その後調整が起きると予想しており、これはその通りの値動きとなった。この分析ではビットコインが7月に底値を形成した後にもう一段階の上昇を見せるとしており、これも同様に予想通りの値動きとなった。

ただ、この分析では9月ごとに起きる2回目の大きな上昇時に14000ドル〜15000ドルに達すると予想していたが、これは外れている。しかし全体的な方向性は合っているようだ。ビットコインはいくつかの調整の後でより高く上昇することが示されている。

(出典:Coiner-Yadox「2020年3月に投稿されたチャート」)

年末には2万ドル突破も?

Coiner-Yadox氏の最新の分析では、2015年9月に170ドルに急落した後に2016年末には1120ドル付近まで6倍以上も上昇したチャートの動きと重ね合わせ、今年末には22000ドル付近まで上昇することを示した。

2020年は3月の大暴落の後に価格が急騰、その後強気の三角保ち合い形成」→「上昇継続」→「再テスト」という同じ動きを形成しており、今後も同様の動きとなるのではないかと予想した。

同氏の予想では、11月ごろに12000ドル〜13000ドルに達した後に急騰し、12月末に20000ドルに達するとしている。

現在は1万ドルのレンジで小康状態のビットコインだが、1万ドルを超えた状態が過去最長となっていることから、仮想通貨業界からは「強気の証拠」であるとの主張がある。

既報の通り、モルガン・クリーク・デジタルの共同創業者であるアンソニー・ポンプリアーノ氏はビットコインが63日間、1万ドル以上を推移していることを指摘した。

ハッシュレートは過去最高更新

また、ビットコインネットワークの力強さを示すハッシュレートも上昇傾向にある。

Blockchain.comによると、9月25日には過去最高の162.26EH/sを更新した。ハッシュレートの上昇は、ビットコイン価格が上昇し、企業がより効率的なマイニングマシンに転換していることを示している。ハッシュレートの値が高ければマイナーが収益性を重視していることを示しており、ハッシュレートと価格には相関性があることから、ビットコインが強気だとの考えを支える材料になりそうだ。