CryptoSlamのデータによると、5月のビットコイン上での非代替性トークン(NFT)とミームコインの月間取引高が、ソラナの取引高を上回った

ビットコイン(BTC)の取引高は現在、イーサリアムに次ぐ第2位となっている。イーサリアムは4月23日から始まる30日間でNFTの取引高が3億9300万ドルを記録したが、これはビットコイン・オーディナルズの取引高の2倍以上だ。この期間、ビットコインはポリゴン、BNBチェーン、ソラナといった人気のあるブロックチェーンを大きくリードした。

BRC-20トークンスタンダードの開発者であるDomoによるDuneダッシュボードによると、BRC-20トークンの取引がビットコイン・オーディナルズの取引の大半を占めていた。

BRC-20トークンスタンダードは、オーディナルズを使用して構築された実験的な代替性トークン標準だる。特定の熱狂的なコミュニティによる価格変動を煽るミームコイン、つまり投機的な仮想通貨のハイプを巻き起こしている。

BRC-20ミームコインの総時価総額はハイプが加速するにつれ増加し、5月の前半に10億ドルを突破した。現在のBRC-20トークンの時価総額は4億4700万ドルとなっている。

Percentage share of Bitcoin transactions by activity. Source: Dune

ORDI、PEPE、MEMEといった人気のあるBRC-20トークンには、ユーティリティが付与されておらず、主に実験的な目的で発行された。たとえば、ツイッターユーザーのDomoは、オーディナルズが提供するBRC-20機能を示すためにORDIを作成した。

BRC-20の取引高の主要なドライバーは、新たに生まれた熱狂から利益を得ようとするトレーダーから来ているようだ。しかし、利益が減少するにつれて、BRC-20トークン周辺の取引活動も同様に落ちる可能性が高い。

ビットコインのNFT取引が増加

BRC-20トークンのほかに、市場はメディアベースのオーディナルズ、別名ビットコインNFTへのシフトを見ている。人気のあるビットコインNFTマーケットプレイスであるマジック・エデンは、主にBRC-20トークンを取引するUniSatの取引高に食い込み始めている。

Percentage share of volume by marketplace. Source: Dune

ビットコイン・フロッグスなどの人気コレクションは、イーサリアム上のトップコレクションであるボア―ド・エイプ・ヨット・クラブ(BAYC)などの取引高の約4分の1を記録した(BAYCは4月23日から5月23日までの間に取引高が4000万ドルを超えた)。

NFTのトレーダーは、ビットコイン上でイーサリアムNFTの成功を再現し、オーディナルズ保有者からなる独占的なグループを形成することを望むだろう。

これまでのところ、ビットコインのNFTエコシステムは、分散型自律組織を支援でき、275億ドル規模の分散型金融エコシステムとの統合などの他の利点を持つイーサリアムに比べて大きく遅れているように見える。

例えば、BAYCやAzukiは、NFT保有者に特別な利点を提供するメタバースプロジェクトを中心に構築されている。一方、クリプトパンクスやMilady Makerは、その希少性と先行者利益の利点により人気を博している。

ビットコインのNFTコレクションがクリプトパンクス、Milady Maker、Azuki、BAYCのような忠実なコミュニティを形成することができるかは未だ不明だ。ビットコイン上のNFTとミームコインの取引高が5月に第2位を獲得したものの、NFTコレクションはまだユーティリティを提供したり、保有者の忠実なコミュニティを形成するまでには至っていない。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン