ビットコイン(BTC)の先物市場は、数週間にわたる調整を経て、価格が冷却局面に入る可能性を示している。クリプトクオントのデータによれば、BTC-USDT先物の未決済建玉(OI)に対するレバレッジ比率は、2025年初頭のピーク時から半減している。
Bitcoin estimated futures leveraged ratio. Source: CryptoQuant
この大幅なレバレッジ解消は、ここ数週間にわたる大規模な清算によって引き起こされたもので、多くのトレーダーが市場から退場したことを意味する。そのため、現在の市場環境は過熱感のない健全なリセット状態にあり、価格の持続的な回復につながる可能性がある。
ビットコインの未決済建玉は、2023年12月18日の718億ドルから、4月8日には518億ドルへと28%減少した。これは現在進行中のレバレッジ解消の規模を浮き彫りにしている。短期的には、一部の市場参加者が価格に大きな影響を与える可能性があるためボラティリティが高まることも考えられるが、長期的には市場の安定につながるとされ、不透明な環境下では有利な状況といえる。
アナリスト「ビットコイン7万ドルは最悪のシナリオ」
Xの投稿で、21st Capital共同創業者のシナ氏は、ビットコインの「分位点モデル(Quantile Model)」のアップデートを紹介し、「ビットコインはここで大きくリスクが解消されつつある」と述べた。
Bitcoin Quantile Model. Source: X.com
シナ氏によると、ビットコインはすでに調整局面の75~80%を完了している可能性があり、10万9,000ドルから7万4,500ドルまで下落している。過去のトレンドでは、こうした6〜8週間の調整期間中に最大34%の下落が見られた。現在の下落率は31%で、さらに7万2,000〜7万ドルまで下がれば、おおよそ34%の調整幅となる。シナ氏は次のように付け加えた。
「景気後退がなければ、7万ドルが最悪のシナリオだ。マクロ環境は依然として厳しく、さらなる売りもあり得るが、長期投資家にとってビットコインは大幅に割安な水準にあると見ている。」
ただし、即時の回復は見込みにくく、ビットコイン研究者アクセル・アドラー・ジュニア氏は、BTCが「ボラティリティ・コリドー(変動の通路)」内で横ばい推移を続けると予想している。
Bitcoin support and resistance level. Source: X.com
このボラティリティ・コリドーは、短期保有者の実現価格をもとに7万5,000〜9万6,000ドルのレンジとして定義されている。
アドラー・ジュニア氏は、今後数週間、BTCはこのレンジ内で推移する可能性があるとしつつも、365日単純移動平均線の上を維持する必要があると警告した。この重要指標を下回れば、7万4,500ドルを下抜けて年初来安値を更新する可能性もあり、理想的な下限水準としては先述の7万ドルが意識されている。
本記事は投資助言を目的としたものではありません。投資や取引にはリスクが伴います。意思決定の際はご自身で十分な調査を行ってください。