コインベース・プレミアム指数は米国におけるビットコイン(BTC)の個人投資家需要を測る指標として知られるが、2024年末に向けて過去12カ月で最低水準に落ち込んだ。アナリストは短期的な価格回復に課題をもたらす可能性があると警告している。
「米国市場での売り圧力の増加がコインベース・プレミアム指数に大きな影響を与え、新たな低水準に引き下げた」と、クリプトクアントの寄稿者であるブラケスメシ氏が12月31日の分析ノートで書いている。
年末の低流動性市場
コインベース・プレミアム指数は、米国の個人投資家からのビットコイン需要を測る方法として使用される。この数値が上昇すると買い圧力が増加していることを示し、値がマイナスになれば売り圧力を示唆する。
12月31日、指数は-0.23の最低点に落ち込んだ。同日、ビットコインは一時的に9万1479ドルに下落した。ブラケスメシ氏はこれを「年末の低流動性市場」に起因するとした。
この水準に達したのは2024年1月、米国で現物ビットコイン上場投資信託(ETF)が導入された頃だった。また10月末の米国の選挙直前にもこのレンジに近づき、ビットコインが6万8165ドルで取引されていた時に-0.20を記録した。
Bitcoin: Coinbase Premium Index chart. Source: CryptoQuant
ブラケスメシ氏は、マクロ経済の状況が変わるか、機関投資家や個人投資家からの関心が高まらない限り、ビットコインの短期的な価格回復に課題をもたらす可能性があると語った。
仮想通貨業界が注視している重要なマクロ経済イベントは、1月20日に予定されているドナルド・トランプ次期大統領の就任式だ。
一部のアナリストは、就任後に一時的な停滞を経てビットコインの上昇が最終的に続くと考えている。ビットゲット・リサーチのリードアナリストであるライアン・リー氏によれば、BTC価格は上昇を再開する前に最大30%の調整を受ける可能性がある。
長期保有者が大きな利益
ビットコインの長期保有者(155日以上ビットコインを保有している者)は大きな利益を享受している。これにより、投資家が利益を確定して新年に向けて売却を検討する可能性が高まり、さらなる売り圧力が生じるリスクがある。
ビットボのデータによれば、長期保有者の実現価格は2万4298ドルであり、現在の価格である9万4820ドルで売却した場合、約290%の利益率とういことになる。
しかし、短期保有者(ビットコインの保有期間が155日未満の者)の平均コストベースは大幅に高い。短期保有者の実現価格は8万6753ドルで、現在の価格で売却した場合、9.29%の利益率となる。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。